入院から1週間が経ったカニエ・ウェスト、病状に関する専門家の見解とは?
入院から1週間が経ったカニエ・ウェスト、病状に関する専門家の見解とは?

 カニエ・ウェストが疲労と睡眠不足による体調不良の為にロサンゼルスのロナルド・レーガンUCLAメディカル・センターに入院してから1週間以上が経った。その間に彼の病状についての情報や、退院がいつになるのかも公式には発表されていない。

 米ピープル誌が今週報じたところによると、カニエの妻、キム・カーダシアン・ウェストは夫の状態について「とても心配」しており、夫は依然として正式に診断されていないと話しているという。現在医師たちは量を調整しながら様々な薬を投与しているが、入院してからあまり状態に変化は見られず、医師たちも憂慮しているそうだ。

 カニエの長期入院が何を意味し、今後どのように回復していくのか、米ビルボードは精神医療の専門家に意見を聞いた。カリフォルニア大学アーバイン校精神科の精神科医、ジョディ・M・ローレス医師は「(カニエが起こしたような騒動後に)患者が長期入院するのは、回復にそれだけ時間が必要であるということを意味しているだけです」と話す。ローレス医師はカニエの現在の状況について直接詳細を知っている訳ではなく、過去に彼を治療したこともないが、似たような状況で患者を受け入れる場合は必要なだけ入院させ、それ以上は1日も長く居させないと説明する。必要以上に入院するとかえって患者の健康に悪影響が出るからだ。

 「疲労と睡眠不足は時に常軌を逸した、精神病的な、被害妄想的な思考を引き起こすことがあります。そして多くのパフォーマーや職業人だけでなく、社会全体として睡眠は足りていないのです」と彼は説明し、「彼のようにパフォーマンスしたり、自身の技を披露したり、インタビューに答えたり、人前に出なければならない人は大きなプレッシャーに晒されています。入院した理由が脱水と疲労だとされているなら、体調不良の原因がそれだけなのか詳しく調べる為に長引いているのかもしれません」と意見を述べた。

 ライブのMCでドナルド・トランプ次期大統領への支持を明言し、ビヨンセとジェイ・Zをディスり、コンサートをたった30分で切り上げ、【セイント・パブロ・ツアー】の残り日程全キャンセルし、病院へ搬送される数時間前にファッション・カタログの写真を99枚インスタグラムに連投したりと、数々の奇行が続いた後に入院したカニエ。異様だったり、厄介な行動が続いた後の緊急入院は、2008年に似たような状況で措置入院させられたブリトニー・スピアーズを思い起こさせる。当時彼女は一時的な成年後見制度のもと、日常業務の管理を父親に任せることになり現在も今もその状態は続いているが、パフォーマーとしてのキャリアは復活している。

 カニエの【セイント・パブロ・ツアー】は、2016年8月25日に米インディアナポリスで開幕し、9月と10月の間は毎晩もしくは一晩おきに公演を行なっていた。キャンセル前にカニエは86日間で40ステージをこなしていた。米ビルボード・ツアー・チャート“Boxscore”によると、キャンセル前までに3,450万ドル(約38.7億円)の興行収入があったこのツアーは、残り21日程分の払い戻し金額がおよそ2,730万ドル(約30.6億円)に上ると推定されている。