【かわさきジャズ2016】川崎という街の多様性を体現した“佐山雅弘&仙波清彦&コリアンオールスターズ”公演をレポート
【かわさきジャズ2016】川崎という街の多様性を体現した“佐山雅弘&仙波清彦&コリアンオールスターズ”公演をレポート

 11月11日から11月20日までの10日間にわたって、川崎市内の複数会場で開催されるジャズフェスティバル【かわさきジャズ2016】。

 11月18日のラゾーナ川崎プラザソル会場では、昨年の【かわさきジャズ2015】でも好評を博した『仙波清彦&アジアンオールスターズ』が、今年は川崎市と韓国・富川との姉妹都市提携30周年を受けて、“韓国との架け橋”をテーマに『佐山雅弘&仙波清彦&コリアンオールスターズ』として登場した。

 最初にステージに現れたのは、韓国打楽器奏者のチェ・ジェチョル率いる打楽器団。韓国のいわゆる地域芸能であるところの“コチャン農楽”を激しく舞いながら、時に農作業する姿を模した踊りを交えながら熱演し、頭から会場を盛り上げる。

 続いてこの日の企画の2本柱、佐山雅弘と仙波清彦、そしてヴァイオリニストの高橋香織の3人に迎えられて登場したのは、韓国出身のトリリンガルな歌姫、ヴィッキー・リー。韓国の童謡「島の子供」を佐山によるジャズアレンジver.でしっとりと歌唱する。「vicky's song」と題されたオリジナルソングでは、力強く伸びやかな歌声も披露し、圧倒的な歌唱力をアピールした。

 10分間の休憩を挟んだのち、韓国はソウルよりやってきたソウルバンド、Soul Trainが登場。軽快なファンクナンバー、メロウなソウルナンバーを自由自在に披露し、確かな技術に裏打ちされたグッドミュージックを届けた。日本語で“知らなかった”を意味する「ナンモルラッソンネ」では、コール&レスポンスも行い観客を楽しませる。

 本編ラストは佐山作曲の「花アリラン」を、この日の出演者全員で披露。川崎という街のグローバリズムを体現するかのような熱演だった。アンコールでは、ヴィッキー・リーとSoul Trainのイム・ユンジョンの2人の歌姫が、日本でも広く知られている韓国の民謡「釜山港へ帰れ」をギターとピアノの音色に乗せて披露。『佐山雅弘&仙波清彦&アジアンオールスターズ』公演の締めくくりとした。

text:Takuto Ueda
photo:かわさきジャズ2016


◎公演情報
【かわさきジャズ2016】
本会期:2016年11月11日(金)~20日(日)
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール、ラゾーナ川崎プラザソル、クラブチッタ、新百合トウェンティワンホール、昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワ、洗足学園音楽大学ビッグマウス ほか川崎市内各所
有料公演: 12公演
無料公演: 25か所 約40公演
主催:かわさきジャズ2016実行委員会、川崎市
info:http://www.kawasakijazz.jp/