脳卒中から帰還したランディ・トラヴィスの“魂の歌”に観客が涙
脳卒中から帰還したランディ・トラヴィスの“魂の歌”に観客が涙

 カントリー・ミュージックの殿堂入りしたランディ・トラヴィスが、10月16日に行われたMedallion Ceremony(メダル授与式)で感動的なパフォーマンスを披露した。

 2013年7月に消耗性脳卒中に襲われたトラヴィスは、妻のメアリーに付き添われて授与式のステージに登場。カントリー・ミュージックの殿堂入りを果たした。1980年代にスターダムへと上り詰めた夫の話をメアリーがスピーチした後、マイクを渡されたトラヴィスは「アメイジング・グレイス」を披露。最初の出だしの部分で観客は立ち上がり、そして涙した。そのパフォーマンスは、トラヴィスがまだ言語障害治療を必要としていることを明示するものだったが、以前のように歌えるよう決心してこの3年間を過ごしてきたことを証明する瞬間でもあった。

 トラヴィスへのトリビュートも行われ、ガース・ブルックスがトラヴィスの「Three Wooden Crosses」を披露。また、トラヴィスのパフォーマンスに続いてフィナーレを飾ったのはオーク・リッジ・ボーイズだった。カントリーのナショナル・アンセムとも言えるカーター・ファミリーの「Will The Circle Be Unbroken」を、業界や殿堂メンバーからなる観客と一緒に歌った。

 また、自身の殿堂入りを控えた2011年、トラヴィスの殿堂入りがないことに嘆いていたブルックスは、式典の前に「ずいぶん遅れたが彼は賞を受けるに値する。ランディ・トラヴィスがいなかったら、私はイヤウッド(カントリーシンガーで女優のトリーシャ・イヤウッド)と結婚していなかったし、この町にもいなかった。来たところに立ち返らせ、元よりも大きくした人が今まで他のジャンルでいるだろうか? かつてなかったし、これからも2度とないよ」と語っていた。

 なお、同式典ではトラヴィスの殿堂入りの他、レコード会社重役でプロデューサーのフレッド・フォスターと、シンガーソングライターのチャーリー・ダニエルズに“クラス・オブ・2016”が正式授与された。