ミラノ・スカラ座のアート・ドキュメンタリー映画が12月に公開決定
ミラノ・スカラ座のアート・ドキュメンタリー映画が12月に公開決定

 イタリア・オペラ界の最高峰であるミラノ・スカラ座の全貌を紐解くアート・ドキュメンタリー映画『ミラノ・スカラ座 魅惑の神殿』が、12月に日本公開されることが決定した。

 240年もの歴史に彩られた、イタリア・オペラの最高峰とされる歌劇場“ミラノ・スカラ座”。ジュゼッペ・ヴェルディ、アルトゥーロ・トスカニーニ、ルキノ・ヴィスコンティといった数々の偉人たちと切り離しがたく結びついた伝説は長年受け継がれ、今日に至るまで神聖さを保ち続けている。50年代には、ヴィスコンティ演出による『椿姫』で劇場に記録的収益をもたらし、スカラ座屈指のスター、マリア・カラスが生まれ全盛期を迎える。さらに、スカラ座の魅力はオペラ発表の場に留まらず、数多くの人気ダンサーを生み出すバレエ団・バレエ学校を併設するほか、管弦楽団や合唱団の公演も行われ、まさしく「芸術の殿堂」としての名声を欲しいままにしている。

 本作は、出演者の練習風景や、シーズンを迎える準備に追われるスタッフの様子から、歴史的な建物の外部と内部、歌劇場の構造設備を鮮明な映像で紹介するほか、リッカルド・ムーティ、プラシド・ドミンゴ、ロベルト・ボッレなど、スカラ座とゆかりのある著名人のインタビューや貴重なアーカイブ映像で綴られる。観客は、今なお生々しく新たな芸術を育むオペラハウスの「現在」から「過去」を目の当たりにし、時空を超えた歴史の旅へといざなわれていく。『グレート・ビューティー/追憶のローマ』の撮影監督ルカ・ビガッツィによる圧巻の映像美も大きな見どころになっている。

 スカラ座の指揮者で総監督のダニエル・バレンボイムに「この劇場は生きている」と言わしめる、スカラ座の“すべて”を描くドキュメンタリー。オペラ初心者にとっても格好の歌劇&歌劇場ガイダンスであり、同時に誠実なる創造の記録となるだろう。