“20年間の想いが詰まった”マックスウェル初来日公演レポート
“20年間の想いが詰まった”マックスウェル初来日公演レポート

 2016年8月19日、新木場Studio Coastにて、ネオ・ソウル界の“ブレない男”マックスウェルの初来日公演が行われた。デビューから20年を迎えた今夏、最新アルバム『ブラック“サマーズ”ナイト』を引っさげようやく日本のファンに生パフォーマンスを魅せることができた。

 開演前の会場内は、この日を待ちわびていたファンで溢れ返っていた。開演時間の19時を少し過ぎたころ、会場が暗くなり、正面のスクリーンに今は亡きキング牧師や英雄たちの姿が映し出された。もちろんその中にはプリンスの姿も。続いてマックスウェルのデビュー当時から現在に至るまでの映像からカウントダウンが始まった。3、2、1、、まずはバンドメンバーが登場し、日本の国旗を振って「トーキョー、ジャパン!」と観客を煽る。「アーバン・テーマ(夜のはじまり)」が流れる中、サングラスをかけ、グレーのスーツを身にまとったマックスウェルがステージに現れると会場からは大歓声と拍手の嵐が起きた。

 「ダンス・ウィズ・ミー」では軽快なダンスを魅せ、観客もマックスウェルに合わせて身体を揺らす。マックスウェルは「こんなにたくさん観客がいるなんて思っていなかったよ!しかも思ったより若い人たちもたくさんいるね。20年間もこの音楽を聴き続けてくれたことに本当に感謝しているよ。」と話し、会場に集まったファンにむかって、“I just wanna say アリガトウ”と音に乗せ歌うように感謝の気持ちを伝えた。

 そして「ホステージ」や「ライフタイム」などデビュー当時から変わらない歌声で20年間の想いを込めて歌うと、スクリーンには永六輔や大橋巨泉、千代の富士など日本の今は亡き偉人たちの写真が映し出された。その演出からは「日本を自分のホームのように思う」と言っていたマックスウェルの親日ぶりもうかがえ、この瞬間は会場も喝采を送っていた。

 最新アルバムから「レイク・バイ・ジ・オーシャン」を披露。そして、ジャケットを脱ぎ、日本の国旗を振るマックスウェルの「レッツゴー!」の掛け声と共に、観客全員で「サムシン・サムシン」を大合唱。ファンが曲に合わせて踊り出すと「こんな風になると思ってなかったよ。実は、もっと静かでリラックスした感じになると思っていたんだけど、想像をはるかに超えたね。本当にクレイジーで最高だよ!」と予想以上の日本のファンの反応に、喜びと驚きが混じった表情を見せた。

 最後の曲「アセンション」を歌い終わると、最前列にいたファンと握手をし、最後はバンドメンバーやツアーメンバーと一列に並び一礼。それぞれが、自己紹介をすると、マックスウェルは最後に「本当にありがとう、東京。またすぐに戻ってくることを祈っています。」と告げ、初来日公演の幕を閉じた。

 デビューから20年。やっと日本のファンの前で生のパフォーマンスが出来たことをマックスウェル自身が一番嬉しく思っていたのではないだろうか。「マックスウェルのライブを観にきてよかった。」と余韻に浸りながら会場を後にしているファンたちも多く見かけ、すでに再来日を期待させる夜となった。

Photo: Masanori Naruse

◎【MAXWELL SUMMERS' TOUR 2016 #MST16】
日程:2016年8月19日(金)<終了>
場所: 新木場STUDIO COAST

◎セットリスト
アーバン・テーマ(夜のはじまり)
ダンス・ウィズ・ミー
エヴリシング
ラヴ・ユー
ホステージ
ディス・ウーマンズ・ワーク
ライフタイム
レイク・バイ・ジ・オーシャン
1990x
サムシン・サムシン
ゲット・トゥ・ノウ・ヤ
フォーチュネート
アセンション