渡辺美里がオーケストラと出逢う日…ビルボードクラシックス公演がスタート!
渡辺美里がオーケストラと出逢う日…ビルボードクラシックス公演がスタート!

 2016年5月22日(日)、東京・渋谷のBunkamuraを舞台に、渡辺美里とフルオーケストラの競演、【billboard classics「MISATO WATANABE Premium Symphonic Concert」】が幕を開けた。

 オーチャードホールのステージに東京フィルハーモニー交響楽団の名手たちが席に着くと、マエストロ?澤寿男が登場、観客の温かい拍手に迎えられ一礼した後に、「序曲」の演奏が厳かに始まる。ストリングスが渡辺美里の代表曲「My Revolution」のテーマを輝かしく演奏し、その後流れるように「エーデルワイス」の耳に親しいメロディが続く。オーケストラのみのオーヴァチュア(「序曲」)が終わり、聴衆の期待が最高潮に高まった瞬間、黒を基調にシックでエレガントな衣装をまとった渡辺美里が舞台へ登壇した。

 最初の曲は「My Favorite Things」。管楽器と戯れるように英詩を紡ぎだす美里の声は、ジャズ・スタンダードでもあるこの名曲を時に軽やかに、時に力強く歌い、冒頭から会場に集まった人々を虜にした。続いて「ゴッドファーザー愛のテーマ」。情感たっぷりに歌う美里とオケが、一転してシリアスな大人の音を創出する。赤と紫を交差するように混ぜた、ステージを彩る照明が、ヴィジュアルからも美里の導く映画の世界を完成させる。オーボエの軽やかな音色に導かれて始まった「素顔」では、指揮の柳澤とコンタクトを取りながら、オーケストラの豊潤な響きをまとった歌を聴衆へと届けていく。

 渡辺美里の“My Favorite Songs”(私の好きな歌)と称して構成された本公演第一部、最後を飾った曲は「The Rose」。焦りや苛立ちがつのっていた高校生の頃、すごく励まされた曲で、オーケストラとのコンサートがあれば絶対やりたかったと語る、彼女の想い入れが深い一曲だそうだ。ピアノのイントロから、歌い終わった後の大きな拍手まで、会場が一体となって至福の時を体験した。

 休憩をはさみ、オーケストラ演奏によるチャイコフスキー作曲「歌劇エフゲニー・オネーギンよりポロネーズ」。?澤のしなやかで力強い指揮に導かれ、東京フィルの溌剌とした演奏が繰り広げられる。そのファンファーレから、渡辺美里のオリジナル曲“My Songs”より構成される第二部への期待が高まる。

 深紅の衣装に身をつつんだ美里が登場し「10 years」を歌い始める。弦楽器のみをバックにつけ、しっとりと声を響かせると、観客はその歌声に聞き入った。次の「My Revolution -第二章-」では、ゆっくりとしたテンポで彼女の代表曲をやさしく歌い上げる。遠くホルンが響く冒頭から、ストリングスが少しずつ音を上げていき、クライマックスではオーケストラが会場の隅まで響き渡った。指揮の?澤とぴったりと息の合った歌を聴かせる渡辺美里。静かな余韻を残した数秒後、盛大な拍手がホールをつつんだ。

 「パジャマ・タイム」「始まりの詩、あなたへ」と、美里とオーケストラのゴージャスな競演は続く。「今夜がチャンス」では、巧みなオーケストレーションが光るアップテンポの曲で、自然に大きな手拍子が巻き起こり、美里も体でリズムを取って楽しげに声を張り上げて観客へ応えた。色彩豊かな照明が、会場の一体感を高める。

 第二部が終了しても、会場の熱気は変わらないまま、大きな拍手に迎えられ、アンコール(「ここから」他)が始まる。日本ポップス界の先端を走り続け、世代を超えて愛される渡辺美里。昨年30周年を迎え「今年は新しいスタート」と高らかに宣言。美里の大きな未来に向かうステージが、新しいオーケストラとの出逢いの日から始まる。

◎今後の公演情報
【billboard classics「MISATO WATANABE Premium Symphonic Concert」】

2016年06月26日(日) 川崎・ミューザ川崎シンフォニーホール
17:00開演
2016年07月08日(金) 大阪・フェスティバルホール
19:00開演
2016年07月28日(木) 大宮・大宮ソニックシティ
19:00開演
2016年09月24日(土) 横浜・横浜みなとみらいホール 大ホール
17:00開演

指揮:大友直人(大阪公演)、?澤寿男(川崎、大宮、横浜公演)
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団(川崎、大宮、横浜公演)、大阪フィルハーモニー交響楽団(大阪)

URL:http://www.billboard-cc.com/