ロシアの鬼才レーラ・アウエルバッハが春祭でソロリサイタルを開催、アンコールでは日本にインスピレーションを受けた新作も
ロシアの鬼才レーラ・アウエルバッハが春祭でソロリサイタルを開催、アンコールでは日本にインスピレーションを受けた新作も

 東京・上野で開催中の【東京・春・音楽祭】にて、3月27日にロシアのピアニスト、レーラ・アウエルバッハのリサイタルが開催された。

 レーラ・アウエルバッハは、ピアニスト、作曲家、詩人さらには美術家としても活躍する唯一無二のアーティスト。1973年ロシアに生まれ、6歳でピアノリサイタルを開催、12歳にはオペラを作曲するなど幼少期から才能を遺憾なく発揮。器楽作品やオーケストラ作品さらに2005年にアンデルセン生誕200年を記念してバレエ音楽『人魚姫』など、100作以上の幅広い作品を手掛ける。また作家としての活躍も高く評価されノーベル文学賞にノミネートされるなど、活動の幅はとどまるところを知らない。

 久々の来日コンサートとなった本公演では、前半は自作の「24の前奏曲 op.41」、後半は自身の編曲によるムソルグスキー組曲「展覧会の絵」を披露。次々と紡ぎだされる色彩豊かな音色によって、瞬く間に観客を独特の世界に惹きこんだ。鳴り止まない拍手で再度登場したアウエルバッハは、日本語の曲紹介をはさみつつラフマニノフ練習曲集「音の絵」やトルストイ「ワルツ」など、合計5曲のアンコールを演奏。日本の桜の美しさに魅せられ、コンサートの前夜に思わず作曲したという自作の「さくらの夢」は、桜独特の儚さと観る人の心を離さない艶やさの両面を感じさせるような美しい作品だった。レーラ・アウエルバッハは3月29日に再び王子ホールに登場し、ヴィオラ奏者のキム・カシュカシアンとデュオリサイタルを行う。

写真提供:東京・春・音楽祭実行委員会 / 撮影:青柳聡

◎公演情報東京・春・音楽祭24の前奏曲シリーズvol.5【アウエルバッハ−レーラ・アウエルバッハ】
日時:3月27日(日)15:00開演
会場:東京文化会館 小ホール
曲目:
01.アウエルバッハ「24の前奏曲 op.41」
02.ムソルグスキー「組曲<展覧会の絵>」
En01.ラフマニノフ「練習曲集<音の絵>op.33より第2曲 ハ長調」
En02.アウエルバッハ「さくらの夢」
En03.トルストイ「ワルツ」En04.ラフマニノフ「10の演奏曲 op.23より第2曲 ト短調」
En05.ラフマニノフ「練習曲集<音の絵>op.39より第2曲 イ短調」

◎【東京・春・音楽祭 −東京のオペラの森2016−】
期間:2016年3月16日(水)~4月17日(日)
会場:上野恩賜公園(東京)、東京文化会館、上野学園 石橋メモリアルホール、国立科学博物館、東京国立博物館、東京都美術館、国立西洋美術館、上野の森美術館、東京芸術劇場 他
More info:http://www.tokyo-harusai.com/