小澤征爾が初のグラミー賞受賞、「仲間たちとこの喜びを分かち合いたい」
小澤征爾が初のグラミー賞受賞、「仲間たちとこの喜びを分かち合いたい」

 小澤征爾指揮、サイトウ・キネン・オーケストラ演奏のアルバム『ラヴェル:歌劇「子どもと魔法」』が、第58回グラミー賞クラシック部門「ベスト・オペラ・レコーディング」を受賞した。

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 8度目のグラミー賞ノミネートとなった小澤征爾だが、受賞したのは今回が初めて。また、過去のノミネート作は全て海外録音だったのに対し、今回は初の日本録音作品であり、サイトウ・キネン・オーケストラとしては初ノミネートで初の受賞という快挙を成し遂げた。

 今回の受賞に際し、小澤は「たいへんうれしく、みんなとこの作品を創れたことを誇りに思います。仲間たちとこの喜びを分かち合いたいです」とコメント。なお、2016年の8月から9月にかけて長野県松本市で開催される【セイジ・オザワ松本フェスティバル】にて、本作の上演が予定されている。Photo by山田毅

◎小澤 征爾 コメント全文
この「子どもと魔法」は僕の大事な仲間であるサイトウ・キネン・オーケストラとすばらしい歌い手たちと創った作品で彼らのお陰で、充実した練習と公演ができてとても楽しかった。それが松本のフェスティバルの力なのだと思う。たいへんうれしく、みんなとこの作品を創れたことを誇りに思います。仲間たちとこの喜びを分かち合いたいです。

◎神澤 陸雄 セイジ・オザワ 松本フェスティバル実行委員会 実行委員長コメント全文
2013年に上演したオペラ、ラヴェル:「子どもと魔法」が、米国でもっとも権威と歴史のある第58回グラミー賞のクラシック部門「ベスト・オペラ・レコーディング」を受賞したことを大変嬉しく誇りに思います。思い返せばこの年は、小澤征爾総監督が1年間の休養から復帰した年であり、天皇皇后両陛下をお迎えした記念すべき年でした。今回の受賞は、これまで支援をして頂いた長野県、松本市そして協賛企業とファンの皆様、なにより運営を支えていただいたボランティアの皆様の支えがあったからこそと感謝と御礼を申し上げます。これからも、小澤征爾総監督のもとサイトウ・キネン・オーケストラの高い芸術性を世界に発信し続けて参りますので、よろしくお願いいたします。

◎菅谷 昭 松本市長コメント全文
第58回グラミー賞のクラシック部門「ベスト・オペラ・レコーディング」受賞につきまして、フェスティバル開催都市である松本市を代表しお祝いを申し上げます。世界最高峰の音楽賞を松本で開催されたオペラが受賞した事は、とても名誉であり「楽都・松本」を標榜する本市にとっても大変喜ばしい事であります。小澤征爾総監督、サイトウ・キネン・オーケストラの芸術性と、フェスティバルを様々な角度から支えた松本市民が評価されたものと受け止めております。本市としましては、これからも引き続き「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」を支援し、開催都市としての関連事業を充実させていきたいと考えております。

◎作品情報
『ラヴェル:歌劇「子どもと魔法」(録音:2013年8月公演)、シェヘラザード(録音:2009年9月公演)』
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:小澤征爾

◎小澤征爾 主なグラミー賞ノミネート歴
1969年 「メシアン:トゥーランガリラ交響曲」(トロント響)
1971年 「ヤナーチェク&ルトスワフスキ」(シカゴ響)、「オルフ:カルミナ・ブラーナ」(ベルリンフィル)
1974年 「ベルリオーズ:幻想交響曲」(ボストン響)
1976年 「ベルリオーズ:ファウストの劫罰」(ボストン響)
1981年 「シェーンベルク:グレの歌」(ボストン響)
1993年 「チャイコフスキー:歌劇『スペードの女王』」(ボストン響)
2015年 「ラヴェル:歌劇『子どもと魔法』」(サイトウ・キネン・オーケストラ)※受賞