Album Review: アンドレ・ブラッテン『ゴード』 全編に流れる静謐な空気が冬を演出、ノルウェー産新感覚エレクトロニカ 〈Billboard JAPAN〉|AERA dot. (アエラドット)

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Album Review: アンドレ・ブラッテン『ゴード』 全編に流れる静謐な空気が冬を演出、ノルウェー産新感覚エレクトロニカ

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Album Review: アンドレ・ブラッテン『ゴード』 全編に流れる静謐な空気が冬を演出、ノルウェー産新感覚エレクトロニカ

Album Review: アンドレ・ブラッテン『ゴード』 全編に流れる静謐な空気が冬を演出、ノルウェー産新感覚エレクトロニカ

 ミニマルだけどロマンティック。ノルウェーのクラブ・シーンを揺さぶり続けているアンドレ・ブラッテンの2作目となる新作『ゴード』は、そんな相反する感覚が入り混じる不思議な作品だ。もともとはバレリアック系のサウンド・クリエイターだったというところからも、そのロマンティシズムの要素はあってもおかしくないのだが、まるでデトロイト・テクノのようなクールで無機質なビートを紡ぎながらも、ヨーロピアンならではのメランコリアを感じさせてくれる。実に新しい感覚のエレクトロニカと言っていいだろう。


 アンドレは、ピアノ、ギター、ドラムといった楽器をなんでもこなすマルチ・ミュージシャンでもある。そのため、サウンドの構造や質感は、いわゆるベッドルーム・ミュージックと言われるような宅録的な音楽だ。しかし、それだけだと小ぢんまりとしてしまうところを、スペイシーなシンセサイザーやフィールド・レコーディング音を交えながら、スケールの大きな世界に転換している。ビートもただ踊るために打ち付けるのではなく、寄せては返す波のような抑揚を付けつつも、芯の通った太さも感じさせるのだ。


 また、ジャガ・ジャジストやロイクソップとの繋がりのあるシンガー、スザンヌ・サンドフォーも「Cascade Of Events」でゲスト参加。無機質な感覚に終始しがちなアルバムに彩りを与えている。ビートレスでほぼピアノ・ソロといってもいいアンビエントな「Math Ilium Ion」のように、北欧らしい極北感も随所に感じられる。そしてとにかく、全編に流れる静謐な空気こそ本作の醍醐味。ひんやりとした感覚を楽しみながら、この冬を演出してくれるはずだ。


Text: 栗本 斉


◎リリース情報
『ゴード』
アンドレ・ブラッテン
2015/12/23 RELEASE
2,376円(tax incl.)


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