チームしゃちほこ ソロライブ3日目は咲良菜緒、「United Stats Of Nao」を建国し自ら大統領に!
チームしゃちほこ ソロライブ3日目は咲良菜緒、「United Stats Of Nao」を建国し自ら大統領に!

 名古屋発の女子高生6人組アイドルグループ・チームしゃちほこが、名古屋・ElectricLadyLandにて現在開催している初のソロライブ企画【チームしゃちほこ 年末大感謝祭ソロライブ6days】の3日目公演が12月11日に行われた。

 3日目に出演したのはマリッジブルー・咲良菜緒。“天上天下菜緒独尊~United States of Nao~”と銘打たれたこの日は、観客全員に星条旗に似たデザインに、この国の大統領である咲良菜緒の顔写真がプリントされた小旗が入場時に配られた。

 照明が落とされたフロアにスターウォーズ「帝国のマーチ」がBGMでリピートされ、不穏な空気が流れる中、「今日はUnited States of Naoの建国記念日。この国で一番偉いのは菜緒です。最後まで大統領を盛り上げるように!」という注意喚起のアナウンスが流れると、集まった“国民(ファン)”からは歓声が起こる。

 ライブ本編前にまず登場したのはDJ NAPPYと名乗る、謎の女性DJ。“ROCK STAR”とデカデカと書かれた黒いTシャツに赤いヘッドホンを首から下げて、不気味な白い仮面で顔を隠したDJ NAPPYは、Hi-STANDARD「STAYGOLD」にはじまり、MAN WITH A MISSION「Get off of My Way」、マキシマムザホルモン「チューチュラブリームニムニムラムラプリンプリンボロン ヌルルレロレロ」など、自らセレクトしたJ-ROCKの名曲にあわせて、ステージ上を駆け回り、ヘドバンをかましながらフロアを熱く盛り上げていく。ラストは「最後はいい感じで本編に向かいましょう!」とELLEGARDEN「Missing」でシンガロングし、嵐のようにステージを去っていった。

 DJ NAPPYと入れ替わりで、チームしゃちほこの熱狂的なファンとして知られるお笑い芸人、GAG少年楽団・宮戸が前説担当として登場。早くも熱気に包まれたフロアを前にして「衝撃な事実があるんです。まだライブがはじまっていない! チームしゃちほこの曲を1曲もやってないんですよ!」と笑いを誘う。今回、サポートスタッフの助っ人枠として任命された宮戸は、「他のメンバーの班はサポートスタッフと一緒に内容を決めているようだが、菜緒ちゃんはあっという間に自分でセットリストを決めていた。僕らは菜緒ちゃん班のスタッフはほとんど仕事していないんです」と裏話を明かし、「この後は、みなさんと同じしゃちオタに戻ろうと思います。後ろのほうで一緒にペンライト振らせていただきます!」と挨拶し、ステージを後にした。

 BGMにクイーンの「We Will Rock You」が流れ、フレディ・マーキュリーに扮したスタッフが観客を煽ると、フロアは青いペンライトとUSNの国旗が激しく振られていく。「U!S!N!」コールに招かれ、国旗を担いだ大統領=咲良菜緒が登場。青いレースのリボンにティアラをつけたポニーテールに、大きな羽が背中についた漆黒のレザーベスト、ふんわり広がった青×白のパニエという、絶妙なツンデレ加減の小悪魔ロック衣装に身を包んだ咲良が1曲目に選んだのは、事前のくじ引きで課題曲となったチームしゃちほこの「ピザです!」を、オリジナルの歌詞に変えた「なおです!」。「はいこちらUSN、この国で一番偉いのは菜緒です!」というセリフからはじまると、フロアのテンションは一気にマックスへ。休む間もなく「ザ・スターダストボウリング」に突入。いつもは秋本帆華が「私、レーンの前では絶対に泣きません!」と叫ぶところを、「私、大統領なんですけど、文句あるやつぅーーーー、出てこいやー!」と、無敵の独裁ぶりを発揮した。

 冒頭から飛ばしまくった2曲を歌い終え、この日初めてのMCパートに。気持ちが昂りすぎた男性ファンからタイミングを外した野次が飛ぶと、大統領は「うるさい!」と一喝。「私はメタル好きだけど、ルールを守らないやつは嫌いだよ。わかった?」と説教すると、男性ファンから一斉に「お許しください」という謝罪の声が。すると笑顔で「よし!」と収め、国を治めるリーダーとしての手腕を見せつけた。この日は朝から嵐のような荒天から、まるで夏に戻ったような高い気温になるという季節外れの天候。「朝から天気が悪くて、まさに私の日だなって思いましたね。昨日までのハル(坂本遥奈)と帆華の日はあんなにいい天気だったのに」と自虐的なトークでフロアを笑わせた。

 続く3曲目には「colors」を披露。凛々しくクールな表情を見せながら、伸びやかな声でしっかりと歌い上げる咲良。普段はメンバー全員で歌うサビを観客が代わりに歌い、大統領と国民の間には、早くも信頼感が生まれていた。続いてステージの中央にブルーのマイクスタンドが設置され、アカシックが提供した咲良のソロ曲「ベイビーミソカツ」を披露。咲良の私物であるワインレッドのエレキギターを抱え、まさかギター演奏も初披露となるのか?と期待させるも「エアギターです」と苦笑い。間奏で激しく踊っているうちに、ギターのストラップが外れてしまうアクシデントが起こるも、お立ち台に腰掛けてギターを弾くアクションをアドリブで入れたりしながらピンチを切り抜けた。歌い終わるとピックを客席に投げる咲良。すると「ピック一枚だと思ったろう? 偽物はいっぱいもってるんじゃい!」と、カゴに入った大量のピックを豪快にばら撒いた。

 ステージが暗転すると、再びGAG少年楽団・宮戸が登場。なんとこの日のために作られたオリジナルのコント「メイドカフェ」を披露。メイド喫茶のオタク店長と、激しくツンデレな新人バイトの軽妙なやりとりで、会場は爆笑の渦に。本格的にコントに挑戦するのは初めてという咲良だが、アドリブをぶっ込んだりと堂々とした演技をみせた。

 コントが終わり、衣装チェンジをして再び登場した咲良。先ほどまでの小悪魔ロックな衣装から一転、白いレースにポンポンと青い小さな羽がついたトップスに、腰には青以外のメンバーカラーのレースをつけた、スイートな可愛らしさを全開にした衣装に。ちなみにこの日の衣装は、すべて咲良自身がデザインを担当。スタイリストと一緒に古着屋などを回ったりして材料を集めたという。「みなさんはもうサンタさんがやってこない年齢だと思うので、私からクリスマスプレゼントを贈ります」というプチ毒舌なMCを挟んで歌われたのは、ももいろクローバーZ・有安杏果のソロ曲「ありがとうのプレゼント」のカバー。かねてから有安推しを公言していて、いつかライブで歌えたらと思っていたという。さらに続いて、佐々木彩夏のソロ曲「だってあーりんなんだもーん☆」を「だってなっぴーなんだもーん☆」と変えてカバー。しゃもじを手にして「♪小ライス 中ライス 大ライス 塩むすび」と、白飯好きを前面にアピールした歌詞で盛り上げていく。「♪みんなのほっぺはぷにっぷに? ぶよっぶよでしょ?」とピリ辛なアドリブも織り交ぜつつ、意外な選曲で圧倒的なかわいさを振りまいた。

 「“天上天下菜緒独尊~United States of Nao~”ラスト3曲です!」と叫ぶと、客席からは大きな「エェ~ッ?」という声が。「エェ~ッって思うよね? でも、その物足りない感じを続けてたら、2回目できると思わない? だから今日はあと3曲」と、国民感情を自在に操る大統領。ラストスパートとしてまず歌ったのは、「一度は乗りたいエアフォース!」と壮大に歌詞を変えた「そこそこプレジデント(そこそこプレミアム)」。続く「恋人はスナイパー」では、ステージ上にSPが登場。ステージ上を所狭しと歌い踊り、途中で青いカラーバットを手にして片手ノックでサインボールを客席に打ち込んだり(これが、ほぼ外さないバッティングの上手さだった)と自由な振る舞いをみせる菜緒大統領を警護していると、SPの一人(宮戸)が大統領の身代わりとなって狙撃されてしまう、という茶番劇も織り交ぜられるカオス展開となった。

 キラーチューンの連発で大いに盛り上がり、ライブもいよいよ終盤。ステージ上の演説台に立ち、「今日は私のためにこんなにたくさんの国民が集まってくれて、とっても幸せです。これからもよろしくお願いします」とスピーチした後に歌ったのが、KAN「愛は勝つ」カバー。歌の途中でステージに今回協力してくれたスタッフを呼び込むと、青推したちの寄せ書きで埋まったマントを手渡される。それを背中に羽織って、スタッフたちと肩を組みながら続きを歌いはじめると、自然発生的に観客全員も肩を組み、一緒に「愛は勝つ」をシンガロングしはじめる。予想しなかったその光景に、咲良は思わず感極まって涙してしまい、歌えなくなるという一幕も。意外なほどに感動的なラストを迎えたソロライブは、フレディ・マーキュリー「I Was Born To Love You」がBGMに流れる中、「お菓子あげるーーー!」と駄菓子を投げ込むというバラマキ政策で幕を閉じた。

 最後にスタッフを紹介し、「今日の一番偉い大統領、咲良菜緒でした!」と挨拶するも、「最後にやりたいことがあるから、みんな『ステイ!』」と待たせてステージ袖に引っ込むと、小さな花束を手にして戻る。「マリッジブルーなんで、ブーケトスします!」というと、女性エリアに向かって後ろ向きでブーケを投げ「みんなお幸せに! バイバイ~!」と叫んで、ステージを去った。

 すべてが終了しても国民からの「USNコール」が鳴り止まない。すると咲良は2階バルコニーから身を乗り出して、ふたたび感謝の想いを伝える。そこでまた盛り上がったフロアからは、BGMに流れていたクイーン「We Are The Champion」の大合唱が。予想しなかった展開に咲良は手を叩いて大喜びするも、「早く帰れ!」と一喝。最後の最後までツンデレな大統領キャラを貫き通し、もっともカオティックでもっともエモーショナルな3日目の公演はようやく終了した。

 12月14日に予定されていた、4日目の安藤ゆず公演は延期となり、代わりに同日にはチーフマネージャーの店長をはじめとするスタッフたちによるトークライブ「みーくんのしゃべくり777」を開催。12月17日には、伊藤千由李ソロライブ”SEKAI NO CHIYURI~ちゆりとサンタのカーニバル~”が、18日には大黒柚姫による“お願い!大黒様が止まらない2015~私達に幸をください▽THE FINAL~(▽はハートマーク)”が同所で開催される。

【チームしゃちほこ 年末大感謝祭ソロライブ6days】
<天上天下菜緒独尊~United States of Nao~>
DJ NAPPYによるオープニングDJ
M1.なおです!(ピザです!咲良菜緒Ver.)
M2.ザ・スターダストボウリング
M3.colors
M4.ベイビーミソカツ
M5.ありがとうのプレゼント(カバー)
M6.「だってなっぴーなんだもーん☆」(カバー(原曲:だってあーりんなんだもーん☆)
M7.そこそこプレジデント(そこそこプレミアム咲良菜緒Ver.)
M8.恋人はスナイパー
M9.愛は勝つ(カバー)
~フレディ・マーキュリー「I Was Born To Love You」