アデル 最新作『25』が驚異的新記録とともに米ビルボード・アルバム・チャート堂々の首位デビュー
アデル 最新作『25』が驚異的新記録とともに米ビルボード・アルバム・チャート堂々の首位デビュー

 歴代最高の初動枚数、3,480,000枚を獲得し、初の週間300万枚突破という快挙を成し遂げた、アデルの3rdアルバム『25』が堂々の首位デビューを果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 11月20日に世界同時発売された、アデルの新作『25』は、リリース前から“驚異的な売上になる”という話題が絶えなく続き、結果、週末3日間だけでも200万枚を突破し、週間セールスは、350万枚に迫る驚異的な数字をたたき出した。この記録は、2000年3月にリリースされた、イン・シンクの2ndアルバム『ノー・ストリングス』の初動枚数、242万枚を100万枚近く上回る記録更新で、アメリカだけにとどまらず、世界各国で大ヒット、首位デビューを果たしている。

 本国UKでは、オアシスの『ビィ・ヒア・ナウ』(1997年)が持つ記録、69万枚を上回る、初動80万枚を突破し、歴代首位に輝いた。また、来年2月末からスタートする本作のツアーも決定し、チケットは12月4日から発売予定。現段階ではヨーロッパ方面の公演のみが発表されているが、『25』の大ヒットを受けて、アメリカやアジア方面での追加公演も期待できるかもしれない。

 2016年のチャート集計がはじまったばかりではあるが、来年の年間アルバム・チャートは、本作『25』が首位に輝くことは間違いない。注目されるのは、その累計枚数。2011年にリリースした、前作『21』は、この売上が下降しているミュージック・シーンの中で、2010年代、唯一1000万枚(ダイヤモンドアルバム)という大記録を打ち出している。次週も、2週目にして100万枚突破が期待される『25』が、1年を通じてどこまで数字を伸ばすのか、前作『21』の驚異的な記録を上回るのか、今後の動向に注目が集まる。その『21』は、本作のリリースを受けて、先週の25位から9位へ、再びTOP10入りを果たしている。

 アデルの記録に話題をさらわれてしまったが、先週首位デビューを果たした、ジャスティン・ビーバーの『パーパス』(2位)も、先週の初動枚数65万枚に続き、今週は30万枚を獲得し、たった2週でミリオン目前という記録を打ち出す快挙を成し遂げている。また、シングル・チャートでは「ソーリー」が2位に、「ホワット・ドゥ・ユー・ミーン?」が4位に再浮上し、TOP10内に3曲、TOP100以内には12曲ものタイトルをランクインさせている。アデルの記録があまりにも凄まじく、大きな話題とはならなかったが、ジャスティン・ビーバーが打ち出した快挙も、本来は注目されるべく記録だ。

 4位に初登場したのは、東海岸出身のラッパー、ジェイダキスの新作『トップ 5 デッド・オア・アライヴ』。「ホワイ」(2004年)や、ジェニファー・ロペスの「ジェニー・フロム・ザ・ブロック」(2003年)などのヒットをもつ人気ラッパーで、本作は2009年の『ザ・ラスト・キス』に続く、5年半ぶり、4作目のスタジオ・アルバム。2001年のデビュー作『キス・ザ・ゲーム・グッドバイ』から4作すべてがTOP5入りを果たし、R&Bチャート、ラップチャートでは、3作連続の首位獲得となった。

 8位には、冬の代名詞こと、エンヤの新作『ダーク・スカイ・アイランド』がデビュー。2008年リリースの7thアルバム『雪と氷の旋律』から、7年ぶりとなる8枚目のオリジナルアルバムで、1995年の5thアルバム『メモリー・オブ・トゥリーズ』から、5作連続のTOP10入りを果たした。本国アイルランドでも、15年ぶりのTOP10入りとなり、オーストラリアやUKでも、TOP5入りを果たしている。

 エンヤをはじめ、今週から4~5週に渡って、ホリデーアルバム(クリスマスアルバム)が売上を伸ばすことになる。13位から6位にアップしたペンタトニックスをはじめ、TOP10以下でも、28位のマイケル・ブーブレや、53位のマライア・キャリーなど、例年のメンバーたちが上昇し始めている。

Text:本家一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートの掲載は、2日22時以降となります。