インターネットラジオのPandora(パンドラ)はメジャーレーベルに対し、1972年以前にレコーディングされた音源の使用料を支払うものの、放送のための著作権使用料は支払わない形で合意するつもりのようだ。ニューヨーク・ポスト紙が伝えている。

 米国にはパフォーマンス権がなく、ラジオや映画館、店舗、レストラン、ホテル、バーなどで演奏してもパフォーマンス使用料は発生しない。しかし、デジタルラジオの出現により、レコードレーベルは放送におけるパフォーマンス権を守ろうとした。

 ところが、連邦原盤権は1972年までなかったため、SiriusXM(シリウスXM)とPandoraはデジタル放送局という立場に関係なく、1972年以前の音源には支払いを行う必要がないという見解を示してきた。

 それでもレコードレーベルとアーティスト側は、これら1972年以前の原盤は個々の州著作権法により使用料の対象となることを主張した。自分たちの原盤を所有するザ・タートルズは、カリフォルニアとニューヨークの州法を引用し、最初にSiriusXMへ、次にPandoraへ使用料支払いを求め提訴。すぐにメジャー各社もこれに続いた。ポスト紙の報道が正しければ、これまでにSiriusXMは2億1,000万ドル(約250億円)を払うことでメジャーレーベルと合意。Pandoraも9,000万ドル(約107億円)の支払いで合意するようだ。

 なお、Pandoraの広報担当は「噂や憶測にはコメントしない」としている。ワーナー・ミュージック・グループとユニバーサル・ミュージック・グループはコメント要請に応じておらず、全米レコード協会はコメントを拒否した。