Appleが中国で正式にストリーミングサービスを開始した。9月30日の発表によると、Apple Musicの月額はたったの10元(約188円)で、3か月の無料お試し期間もあるという。また、同社のアプリで最もダウンロードの多いiTunes MoviesとiBooksも中国で利用できるようになったそうだ。

 Appleのインターネット・ソフトウェア・サービス上級副社長エディ・キューは、「中国のお客様はApp Storeを好んでおり、アプリ・ダウンロードではわが社にとって世界最大の市場となっています。もっと良いコンテンツをとの要望が多く、現地の専門家チームが企画した音楽、映画、本を中国に届けることを楽しみにしています」と述べている。

 なお、中国のApple Musicが低価格なのは、テンセントのQQ Musicなど、現地にある他のストリーミングサービスに即すためだ。中国には他にも、Netease(ネットイーズ)やBaidu(バイドゥ)などの競合サービスがあるが、その全てが何年も前から著作権侵害の音楽を無料でダウンロードしてきたリスナーに料金を払わせなくてはならない状況なのだ。2012年、Googleがライセンスのある音楽ダウンロードサービスを関心が得られないため閉鎖したことからも、中国市場に突破口を開くのがいかに難しいことなのかが分かるだろう。

 詳細には触れていないが、Apple Musicは中国向けにイーソン・チャン、リー・ロンハオ、JJ・リン(林俊傑)、G.E.M.のような現地アーティストを含む“数百万曲”を用意しているとのことだ。ちなみに米国でのApple Musicは3,000万曲以上を誇る。

 iTunesでのApple Moviesのレンタル料は5元(約95円)でスタート。新しい映画の購入は18元(約340円)となる。iBooksは5元から開始するという。