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バックバンドに続いて観客に手を振り登場したさかいゆう。パーカッションに合わせてゆっくりとコードを乗せ、身震いするほど優しいハイトーン・ボイスでダニー・ハサウェイの「What's Going On」を歌い上げライブの幕が開けた。続いて「ダニーに捧げます」と演奏された「Little Ghetto Boy」ではバックバンドが総出でコーラスに参加する一幕もあり、名立たるミュージシャンたちで構成されたバンドに対し「俺についてこい」と言わんばかりの煽りを見せ、ステージの熱気を上げるリーダーシップを発揮。そこから続く山下達郎の「WINDY LADY」では雰囲気を一転、セクシーに歌声に観客はウットリと聴き惚れた。
中盤に差し掛かると自身がピアノを始めた経緯を語り、留学していた際に孤独を感じていたさかいが「この曲に救われた」と話したダニー・ハサウェイとロバータ・フラックの共作「The Closer I Get To You」を披露。自身が歌うために“仕方なく”ピアノを始めたと言うが、演奏に関する独特の感性や音楽への姿勢などから、彼がピアノと出会うことは必然だったと感じざるを得なかった。
バンドメンバーには田中義人(ギター)、岡沢章(ベース)、岡野“tiger”諭(ドラム)、中島オバヲ(パーカッション)といった腕の立つミュージシャンが揃い、このスペシャルなライブを支えた。岡沢章が参加した山下達郎のアルバム『IT'S A POPPIN' TIME』から「PAPER DOLL」が披露された際には、ベース・ソロに大きな歓声が上がった。
アンコールでは新曲「ジャスミン」を初披露。ゴスペルの様な雰囲気もありながら、思わず目が潤んでしまうほど優しくて奥の深いメロディーで、会場を温かく包み込んだ。
公演タイトルの通り、さかいの山下達郎とダニー・ハサウェイに対する厚い“リスペクト”が存分に伝わってくるライブとなった。とくに印象的だったのは「こうやって大好きな人のカバーをやると(自分の曲には)オリジナルなんて1%もないんじゃないかと思うぐらい、偉大な人たちに影響を受けて、今ここにいます。」というさかいの言葉だが、新曲「ジャスミン」を聴くと、偉大な人たちの影響を受けたさかいゆうが新たに発信する楽曲はオリジナリティに溢れたものだ。さかいゆうを通して山下達郎とダニー・ハサウェイに触れ音楽の偉大なパワーを感じることのできた、名の通り<スペシャル>なライブだった。なお、さかいゆうの新曲「ジャスミン」は、10月21日にリリースされる。
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