今年3月31日に約10年ぶりとなるオリジナルアルバム『葡萄』をリリースし、4月11日 愛媛県武道館を皮切りに全国ライブツアー【おいしい葡萄の旅】をスタートさせ、各地大盛況で全国を廻ってきたサザンオールスターズ。追加公演となる8月17日、18日 日本武道館公演のレポートが到着した。
今回のツアーは、『葡萄』に相応しく、愛媛県武道館から始まり、日本武道館で締めくくる形に。5大ドームも含め、全11か所23公演の大規模ツアーは、計50万人にも及ぶ動員を記録し、自身の動員記録を塗り替えるツアーとなった。
サザンの日本武道館公演は、1992年～93年にかけて行われた全国ツアー【歌う日本シリーズ】最終日以来、実に22年振り。超プレミア公演のチケットを幸運にも入手できたファンは、開演前からテンションマックス。「皆様、本日はようこそお越しくださいました 季節は巡り愛媛県武道館からここ日本武道館へ。大きく育った『葡萄』をみんなで喜び味わう旅 さあ、いよいよ収穫祭のはじまりです」という字幕がステージ上に映し出され、メンバーがステージに登場すると、武道館全体を大きく揺らすかのような大歓声が沸き起こった。
＜ボリューム満点！ アルバム『葡萄』収録曲を中心に、36曲もの名曲を約3時間半にわたり披露！＞
全国各地を大いに盛り上げてきた今回のツアーだが、武道館でも同様にボリューム満点。往年のヒット曲からアルバム『葡萄』収録曲まで、新旧にわたるサザンの名曲/ヒット曲を36曲披露、公演時間は3時間半以上にもおよんだ。
ライブの中心となっているのはもちろん『葡萄』収録曲。CMソングとしてもおなじみのロマンチックなポップチューン「はっぴいえんど」や、すでに名バラードとの呼び声が高い「平和の鐘が鳴る」では、曲中で自然にさざ波のような温かい拍手が沸き起こった。また、原由子がメインボーカルを務める「ワイングラスに消えた恋」では、原が普段のキーボードの位置から離れ、ステージ中央に立ちダンサーを従え歌謡ショーさながらに歌い上げると観客は大喜び。
終盤になると、会場の盛り上がりはレッドゾーン振り切れ状態。「東京VICTORY」では会場全体がひとつになって拳を振り上げ、「アロエ」では、ステージに多数登場するアロエをあしらった衣装をまとったダンサーとともに客席全体がダンスフロアーと化す。さらに「マチルダBABY」「エロティカ・セブン（EROTICA SEVEN）」「ボディ・スペシャルII（BODY SPECIAL）」「マンピーのG★スポット」という怒涛の盛り上がり曲連続攻撃に、12,000人が狂喜乱舞した。
＜日本武道館といえばあのバンド……オマージュたっぷりの大サービスも＞
中盤のMCで桑田は、「武道館といえば、49年前に、かのビートルズが来日してライブを行った場所です」と、自らが最も敬愛するザ・ビートルズについて言及、その後ザ・ビートルズにちなんでメンバー紹介が行われた。
桑田が、当時ザ・ビートルズ公演の司会をしたE.H.エリックを真似て「それでは、日本で初めて迎えるビートルズでございます。どうぞ皆様の盛大な拍手でもって迎えたいと思います。Ladies and gentlemen, welcome The Beatles.」と切り出すと、松田弘（dr）が「リンゴ・スターです」、関口和之（b）が「ポール・マッカートニーです」、そして原由子（key）が「ジョン・レノンの恋人、小野妹子です（笑）」、さらに野沢秀行（per）が「ジョン・レノンです」と、それぞれ小ネタを交えながら自己紹介。ユーモアたっぷりで会場は爆笑の渦に包まれた。
そして、メンバー紹介が終わると、桑田の「曲、やっちゃおっか」の一言でなんと「HELP!」を完コピで演奏。まさかのサプライズと、リスペクト感にみちたバンド全員のミュージシャンシップに、会場全体から温かい拍手があふれた。
＜音楽の旅はまだまだ続く＞
この2日間の武道館公演で【おいしい葡萄の旅】は終了となったが、『葡萄』の大ヒット、そして全国ツアーの大成功を経て、まだまだ今後のサザンオールスターズの活躍に期待したいところ。「命ある限りみなさんとこうやって逢瀬を重ねていきたいと思います」というステージ上での桑田の発言通り、今後もまだまだサザンの音楽の旅が続くことを期待したい。
田村耕太郎
北原みのり
田村耕太郎
ゲッターズ飯田
