7月31日までに無許可のコンテンツをサイトから削除するようストリーミング・メディア・プロバイダー各社に期限を設けた中国の国家著作権管理局(National Copyright Administration of China/NCAC)だが、8月3日、ついに主要サービスから220万曲を削除した。このうちBaiduから64万曲、TencentのQQから23,700曲、Alibaba所有のXiamiとTTPodから26,000曲がそれぞれ削除されたという。

 NCACは3日の声明にて、「内部調査と改正を行う間、オンライン音楽各社は絶えず業界の自制力を強化してきました」と述べている。

 音楽出版のRe:chordによると、この削除は自社カタログの適法化に遅れている会社への厳しいペナルティーだと見ており、「ここ数年間アクティブな会社は、使用許諾を早くから導入しているため削除された曲が少ない」としている。

 これは、Tencentがソニー・ミュージックやワーナー・ミュージックと、あるいはAlibabaがBMGと交わしたような契約を持たない国内の小さなサービスに対抗するために、より適法化した企業と政府が連携することを意味する。アナリストのYao HaifengはNortheast Legal Dailyに対し、「こういう小さな会社が今回のキャンペーンのターゲットであり、やがては、著作権と流通経路を持つ、しっかりした経営と法を順守する企業と共にあるプラットフォームになるだろう」と話す。

 北京にある著作権管理会社OD RightsのAlex Taggartは、「Ali MusicやTencent、China Music Corporationなどの大手は、ユーザーを失うことを恐れるため有料サービスへの移行を嫌い、長い間同意してこなかった。しかし、NCACの支援を得た今、彼らは徐々に合意へ向け動いている」とコメント。また、「もしこれらの大手が中国のカタログの独占使用権を持つようになると、コンテンツおよびサービス両面での主要プロバイダーとなり、適法化が遅れている会社を食い物にし効率的に市場を自主規制するようになる」とも指摘している。