Album Review: ブーム・パム イスラエル屈指のサーフ・ロック・バンドの魅力がギュッと詰まったベスト集

Billboard JAPAN

 猥雑なビートを刻むリズムに、テケテケとけたたましく響き渡るエレクトリック・ギター。いわゆる60年代のサーフィン・ミュージックを模しているが、よく聴くとどこかエキゾチックな香りがプンプンとただよってくる。それもそのはず、彼らはアメリカ西海岸ではなく、中東イスラエルのグループなのだから。


 ブーム・パムは、テルアビブを拠点に活動を続けている老舗バンドである。2006年のデビュー以来、幾度かのメンバー・チェンジはあれど、オリエンタル・サウンドとサーフィン・ミュージックを融合し続けてきた。そんな歴史をひとつにまとめたのが、このベスト・アルバムだ。イスラエルというと、ここ近年ではジャズ・ミュージシャンにスポットが当てられることも多いが、実はロックも盛んでブーム・パムはそんな豊かなシーンの中心に存在している。


 彼らは何をやってもユニークなのだが、とりわけ気になるのがベースの代わりにチューバを使っているところ。そのため、どこかジプシー・ブラスのように聴こえることもあるし、見た目のインパクトも強烈だ。また、基本はインストゥルメンタルではあるが、ヴォーカリストをフィーチャーしたり、コラボレーションで呼ばれることもあり、それがまたいいアクセントになっている。ロカビリー、パンク、ハードロック、フォークなど様々なジャンルを内包しているのユニークだが、決して英米のコピーにならず、オリジナリティを持ったメロディとサウンドを展開するのもさすが。


 実はイスラエルには素晴らしいビーチが存在し、サーフィンも盛んだという。かつての70年代のヒッピーのようなカルチャーも未だに残っているというから、こういったサウンドが生み出されるのも不自然ではないのだ。エキゾチックなビーチの風景を思い浮かべながら、冷たいミントティーでも飲みつつ楽しんでもらいたい。


Text: 栗本 斉


◎リリース情報
『THE VERY BEST OF BOOM PAM』
ブーム・パム
2015/07/22 RELEASE
2,700円(tax incl.)

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