ジェイムス・テイラー キャリア初の米ビルボード・アルバム・チャート1位に、アダム・ランバートは3位に初登場
ジェイムス・テイラー キャリア初の米ビルボード・アルバム・チャート1位に、アダム・ランバートは3位に初登場

 1968年のデビューから、本作『ビフォア・ディス・ワールド』がアルバムチャート初のNo.1を獲得したジェイムス・テイラーが主役となった今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 デビュー47年目、間もなく50周年をむかえるジェイムス・テイラー。ネーム・バリューやその活躍から、まさかアルバムチャートでの首位獲得が初というのは、意外も意外。大ブレイク作、2ndアルバム『スウィート・ベイビー・ジェームス』(1970年)は最高位3位、次作『マッド・スライド・スリム』は、キャロル・キングと組んだ自身最大のヒット曲「君の友だち」が収録されたこともあり、アルバムも大ヒットを記録したが、ランキング上では2位どまりだった。

 その後も名盤をコンスタントにリリースし続け、70、80、90年代、そして2000年代には2作のTOP10入りを果たしたが、No.1には至らなかった。5つの年代を駆け抜け、デビュー50年を迎えるにあたって初の首位獲得というのは、自身もファンにとっても、喜ばしい記録だろう。

 アルバムのリリースは、2002年の『オクトーバー・ロード』から約13年ぶり、通算17作目のスタジオ・アルバムとなる。プロデューサーにはデイヴ・オドネルをむかえ、ジェイムス自身のリラックスできる環境、バンドメンバーを揃えて制作されたこともあり、カントリーやフォークとにった、アダルト・コンテンポラリーに特化した、らしい作風に仕上がっている。

 3位にデビューしたのは、『アメリカン・アイドル』出身(シーズン8)のアダム・ランバート、3作目のアルバム『オリジナル・ハイ』。2012年に自身初のNo.1獲得を果たした、2ndアルバム『トレスパッシンング』以来、約3年ぶりの新作で、UKはじめすでに5か国以上でTOP10入りを果たしている。ゲストには、昨年大ブレイクしたトーヴ・ローや、クイーンのギタリスト、ブライアン・メイが参加。カミングアウトなど、プライベートでの話題が絶えなかったが、『アメリカン・アイドル』で準優勝を果たした実力は確かと、このアルバムでも証明した。

 5位には、すでに貫禄すらみせるヒラリー・ダフの5thアルバム『ブリーズ・イン ブリーズ・アウト』が初登場。2007年に3位を記録した4th『ディグニティ』以来、約8年ぶりとなるアルバムで、ホリデーアルバムを除くと、リリースしたアルバムすべてがTOP5入りを果たしたことになる(内1作が首位)。

 「伝説のヤングマン ~ウィー・アー・ヤング~ 」で大ブレイクを果たした、ファン.のリード・ボーカル、ネイト・ルイスの初のソロ・アルバム『グランド・ロマンティック』は7位にデビュー。アルバム『サム・ナイツ』やピンクとのデュエット「ジャスト・ギヴ・ミー・ア・リーズン」などの大成功を経て、満を持してのソロ作品ということだけはあり、気合いも十分。彼らしいメロウネスやファンク・チューンには脱帽、あとひと息、上位に食い込んでもおかしくはないと思うほどの名盤が完成した。ネイト・ルイスは、7月25日に【FUJI ROCK FESTIVAL‘15】にも出演する。

Text: 本家 一成