“日本で人気”という言葉は耳にしたことがあるだろうが、では“スロバキアで人気”というのはどうだろう? 自分の音楽がどこのファンと最も繋がっているのか分かれば、アーティストのツアーやラジオ戦略に役立つだろう。YouTubeは6月3日、YouTube for Artistsサイト(www.youtube.com/yt/artists)にMusic Insightsというツールを導入した。

 YouTubeのクリエイターズ・ブログによると、Music Insightsでは、それぞれのアーティストが自分のビデオの再生回数が最も多い場所がどこなのかチェックしたり、公式ビデオや、Content IDシステムが認識した自分のビデオでファンがアップロードしたものの再生回数も追うことができるという。YouTubeのプロダクト・マネージャー、マイケル・カンバーバッチは、アーティストや関係者たちにとって新機能の役立つ点をいくつかリストアップしている。

 まず、地域のファン層がいかに大きいかを番組制作者に提示すれば、自分の曲をラジオでかけてもらいやすくなる。再生回数上位の都市は、ファンがコンサートに来る可能性が高いため、ツアーを計画する際に役立つ。また、新しいビデオをバズらせたり、自分をここまでにしてくれたファンたちへ感謝を示したりと、自分のデータから知恵を絞ることもできる。

 Music Insightsには、アーティストがもっと注目しても良さそうな驚きの都市や国が出てくるページもある。例えば、アメリカ人アーティストであるポーキー・ラファージ(Pokey LaFarge)を見ると、スロバキアのブラチスラヴァでの再生数が彼の故郷であるセントルイスでの3倍近くになっていることが分かる。他にも、ダーティー・ヘッズはフィリピンのセブで人気があったり、テキサス出身のゲイリー・クラークJr.はルーマニアのブカレストへ行くと良いことも分かるのだ。

 Music Insightsでは現在、1万アーティスト以上のデータを保有しているが、近々、更にアーティストが追加されるという。