B.B.キングが故郷へ……葬儀でオバマ大統領、S・ワンダーらの弔辞
B.B.キングが故郷へ……葬儀でオバマ大統領、S・ワンダーらの弔辞

 -- B.B.キングの若かりし日々はまさにブルースそのものだった。ミシシッピの貧しい小作農家に生まれた彼は、子供の頃に母親と祖母を亡くし、ひとり取り残された。だがこの境遇に押しとどめられることは決してなかった -- by ヘロン・ウィルソン牧師

 B.B.キングの葬儀が5月30日、故郷のミシシッピ州インディアノーラにあるBell Groveバプテスト宣教教会で行われ、牧師はこう語った。「かつて綿を摘んだ手が、いつの日にか国内外のステージでギターの弦をつま弾くようになったのです。素晴らしきことです」

 独特のギタースタイルで何世代ものアーティストたちに影響を与えたキングは、ラスベガスにて5月14日、89歳でこの世を去った。彼の遺志により故郷ミシシッピに帰って来たのだ。

 スティーヴィー・ワンダーは参列しなかったものの、「彼は永遠にキング・オブ・ブルースです」と哀悼の意を述べた音声が葬儀で流された。

 会場にはおよそ500人が詰めかけ、入れなかった200人以上の人々が同教会の関連ホールで葬儀の生中継を観ながら、お馴染みの黒いエレキギター“ルシール”を抱いて微笑むキングの白黒写真が入ったウチワを揺らした。

 キングの長年の友、クリストファー・クラウザーは故人からメッセージを預かっていたといい、家族や友人に愛を、バンドメンバーや他のアーティストたちに感謝を伝えた。そして、2000年発表のキングとエリック・クラプトンによるコラボアルバム『ライディング・ウィズ・ザ・キング』(アートワークには2人がオープンカーに乗った写真を使用)にも触れ、“エリックの運転する車の後部座席は、どれだけ乗り心地の悪いものだったか知らせたかった”とするユーモアに富んだキングの遺言も伝えた。

 また、オバマ大統領とクリントン前大統領からは手紙が寄せられ、キングの友人のベニー・トンプソン民主党議員が読み上げた。それぞれの手紙にて、オバマは「ブルースは王を失い、アメリカは伝説を失った。彼は誰よりも一生懸命で、誰よりもブルースの心を広めた」、クリントンはキングと行った2度のギグを振り返り「私はサックス奏者として彼のバックを務めた」と述べた。

 葬儀後には雨の降る中、キングはBB King Museum and Delta Interpretive Centerに埋葬された。同博物館には墓地のまわりにベンチやウォーターウォールを備えたメモリアルガーデンができる予定だ。