レイ・チャールズをはじめ、モータウンからアレサ・フランクリン、ジョー・コッカーといった数多くのアーティスト達との共演や、若い世代のジャズ・ミュージシャンの育成に貢献してきたジャズの名トランペット奏者、マーカス・ベルグレイヴが、5月21日に亡くなっていたことが明らかになった。78歳だった。

 ここ数年、心臓と肺を患っており、公の場での最後のステージとなってしまった4月17日以降、入退院を繰り返していたというベルグレイヴ。アナーバーにある保養所にて心不全のため亡くなったそうだ。

 また、妻であり彼のシンガーだったジョアン・ベルグレイヴによると、眠るように安らかに息を引き取ったとのこと。つい先日にも、自分の楽器を吹いたり、歌ったり、J・K・シモンズがジャズ・ドラムのスパルタ講師を演じた映画『セッション(Whiplash)』を観たばかりだったという。

 生前、デトロイトをはじめとする世界のジャズ・シーンで活躍したベルグレイヴ。レイ・チャールズとは5年間一緒に活動したほか、1963年にデトロイトに移ってからは様々なアーティストと演奏しており、マッコイ・タイナー、ウィントン・マルサリス、ジョー・ヘンダーソン、B.B.キングなどのアルバムに参加。「マイ・ガール」や「ダンシング・イン・ザ・ストリート」などのモータウン・ヒットでも彼のパフォーマンスを聴くことができる。