プールイ率いるルイフロ/白波多カミン/ゆゆん/ぽわん/Especia『ギミダリ』イベントでベストアクト炸裂 客席乱入コラボも
プールイ率いるルイフロ/白波多カミン/ゆゆん/ぽわん/Especia『ギミダリ』イベントでベストアクト炸裂 客席乱入コラボも

 ミュージックシーンを中心に活動するフォトグラファー Jumpei Yamada撮影による写真集『ギミ!ギミ!ギミ!ダーリン!』(以下『ギミダリ』)。その参加アーティスト/アイドルたちが一堂に会し、5月17日 下北沢ReGにてそれぞれベストアクトを繰り広げた。

ギミダリイベント出演者ライブ写真一覧

<ルイフロ『ギミダリ』完結イベントで序盤からグランドフィナーレ?>

 Jumpei Yamadaの「『ギミ!ギミ!ギミ!ダーリン!vol.1』はこのイベントでもって完結します!」という熱い前説から始まった同イベント。トップバッターのプールイ率いるLUI FRONTiC 赤羽JAPANは、1曲目「Dear」より「プールイの妹分は彼女たちだけ」と公言しているアイドルグループ Especiaと盟友ぽわんの全メンバーをステージに招き入れ、こぞって客席へ突進していく強烈なアクトを展開。イベント開始と同時にグランドフィナーレのような光景を生み出し、その後も『ギミダリ』の表紙=顔に相応しいエモーションの乗りまくった歌声と、爆発的な音圧と演奏でもってオーディエンスを鼓舞し続ける。数か月前、プールイは「期待しないでいいですよ」と自身のライブについて語っていたが、今のLUI FRONTiC 赤羽JAPANのライブは胸を張って「面白い」「凄い」と誇れるものだった。

<白波多カミンの「ぶっつぶしてやる」感覚 ゆゆんの度肝抜く爆音と痛快さ>

 そんな開放の限りを尽くしたかのような眩いライブの後は、白波多カミン with Placebo Foxesが登場。女性シンガーソングライターとして弾き語りで青い炎を燃やしている白波多カミンだが、この日は新たに結成したロックロールバンドとして激情的な声と音を叩き付けていく。初お披露目のバンドとは思えない、感情の底の深いところでの共鳴を鳴らしながら、全ての観客を静まり返らせる、この日最も緊張感の凄まじいアクトを展開。自身もブログで「この日わたしの頭の中は「ぶっつぶしてやる」でした。一体なにをぶっつぶすのか謎だけど。」と記していたが、彼女の形相ひとつ取っても観る者の心をヒリヒリさせ、同時に涙を誘う内容であった。

 一方、Jumpei Yamadaが同写真集を制作する前から大絶賛していたガールズロックバンド ゆゆんは、ゆりえ(vo,b/ex.スカートの中)、まりな(g,cho/ex.日本マドンナ)、イシバシリサ(g,cho/ex.アイマイミー)、イシカワミナ子(dr,cho/ex.The alps)の4人が一斉に度肝を抜くほどの爆音を叩き付け、そのふんわりしたキュートなビジュアルイメージからは想像のつかない、硬度の高いバンドアンサンブルでもって観客を圧倒しまくる。その男前過ぎる演奏の中にもキャッチーなフレーズ、共に歌い叫びたくなるような歌詞も飛び出してくるもんだから、痛快じゃない訳がない。まだ今はアンダーグラウンドな存在かもしれないが、すぐにライブシーンを席巻するバンドになるだろう。

<ぽわんの末恐ろしいエンターテイナーぶり Especiaの攻め曲オンリーアクト>

 そして、イベントはクライマックスに向けて再びお祭りモードへ。ガールズポップバンドシーンの異端児として暗躍中のぽわんは、ド頭から必殺チューン「シャンパンチラリズム」を投下し、舘 松子莉(dr)はピンクの女性モノパンツ一丁で「谷間!」と拡声器で叫びまくり、ファズミサキ(key)も突然の脱衣解禁でビキニ姿になって大暴れ。そこに共演者も続々と現れ、カメラマンとして走り回っていたJumpei Yamadaもまさかのダイブと、会場は超絶ポップなカオス状態となる。また、驚きだったのは、1曲目でここまでのピークを持ってきておいて、その後も終始観客を飽きさせず、最後の「かわいいっていわないと呪う」で二度目のピークを生んでみせたエンターテイナーぶり。末恐ろしいバンドである。

 そんな4者4様の強烈なバンドアクトを受け、この日唯一のアイドルグループとしてトリを務める形となり、しかも前日のワンマンライブで足腰にダメージを負った森絵莉加はイスに座ったままのパフォーマンスとなったEspecia。しかし彼女たちは直球勝負でこのハンデを吹き飛ばしてみせる。お得意のシュールな演出や仕掛けは一切要さず、普段はほとんど組むことのないキラーチューンのみのセットリスト(No1 Sweeper~アバンチュールは銀色に~ミッドナイトConfusion~FunkyRock~YA・ME・TE!~GoodTimes)でもって、みんなと歌い踊り倒すというアプローチでオーディエンスを扇情していく。そして最後の「GoodTimes」では共演者たちとフロアへ降りていき、観客ひとりひとりとハイタッチ。ド派手に(本当の)グランドフィナーレを飾ってみせた。

<写真集『ギミ!ギミ!ギミ!ダーリン!』vol2の可能性>

 最後はJumpei Yamadaと全出演者、観客との記念撮影で幕を閉じた【Jumpei Yamada 写真集『ギミ!ギミ!ギミ!ダーリン!』発売記念イベント】だが、ぽわんの女装家 舘 松子莉(dr)を筆頭に『ギミダリ』へ参加したいと公言しているミュージシャンも多く、もしかしたらvol2も制作されるかもしれない。そのときは再び発売記念ライブイベントも開催される可能性は大なので、ぜひ今後の『ギミダリ』の動向にも注目してほしい。

取材&テキスト:平賀哲雄
撮影:Jumpei Yamada