マムフォード&サンズ 初動枚数25万枚を獲得し、米ビルボード・アルバム・チャート堂々の1位に
マムフォード&サンズ 初動枚数25万枚を獲得し、米ビルボード・アルバム・チャート堂々の1位に

 グラミー受賞バンド、マムフォード&サンズの3rdアルバム『ワイルダー・マインド』が、No.1デビューを果たした今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 2012年リリースの2ndアルバム『バベル』が、翌13年の【グラミー賞】にて「最優秀アルバム賞」を受賞し、アメリカで300万枚、ワールドセールスは1000万枚を突破。その後、2013年秋から活動停止を発表していたが、2014年に入ってから、レコーディングを再開。約1年温めて、リリースされた新作のリリースを受けて、『バベル』も89位まで再浮上、さらにデビュー盤『サイ・ノー・モア』も、96位にリ・エントリーした。

 初動枚数25万枚を獲得、UKでも首位デビューを果たした『ワイルダー・マインド』。前2作のイメージを大きく一転させ、カントリーやフォーク調のナンバーから、王道のアメリカン・ロックに転身したという印象を受ける。同路線で新作を期待していたファンにとっては、やや困惑させられる内容だが、そういった要素を取り除けば、単にロック・アルバムとしてクオリティの高い作品に仕上がっている。

 また、軟調だったテイストを変えたことによって、マーカスのヴォーカルがより、活かされたような印象も受ける。来年の【グラミー賞】では、再びアルバム賞にノミネートなるか、ノミネート作品としての要素は十分に、兼ね備えている。

 2位に停滞中のジョシュ・グローバン『ステージズ』は、今週も10万枚を突破。続いて3位には、ヒット曲満載の『ナウ』シリーズ54が初登場した。常にTOP3入りが確約されている、この『ナウ』シリーズも、54作目。本作には、先日来日公演を大成功させた、テイラー・スウィフトの「ブランク・スペース」や、アリアナ・グランデの「ワン・ラスト・タイム」、ニック・ジョナスの「ジェラス」や、ワン・ダイレクションの「ナイト・チェンジズ」など、10代中心に絶大な人気を誇るアーティストのヒット曲などが収録されている。初動枚数は77,000枚を獲得した。

 4位にも、新作が初登場。ラッパー、テック・ナインの『スペシャル・エフェクツ』が66,000枚を獲得してデビューした。驚異的なスピードで新作をリリースし続ける、テック・ナイン。1999年のデビューから、スタジオアルバムは14作目、ミックステープやEP盤を含めると、20作以上を発表したことになる。本作には、2チェインズやB.O.B、りル・ウェイン、T.I.等がゲスト参加していて、ラップ界にとどまらず、ハードロック・フィールドから、コリィ・テイラーをフィーチャーした「ウィザー」なども収録されている。

 17位には、R&Bシンガーのシアラが初登場。本作『ジャッキー』は、約2年ぶりとなる通算6作目のアルバムで、昨年ラッパー、フューチャーとの間にもうけた男児を出産してから、初のアルバム・復帰作となる。2位をマークした前作『シアラ』から、大きくランキングは落としたものの、先行シングル「アイ・ベッド」やアルバム楽曲の評価は高い。出産から1年経たずして、レコーディングされたとは思えないヴォーカルも、見事。アルバムの良さというのは、どのアーティストもランキングだけでは証明できないものだ。

Text: 本家 一成