Album Review: シアラ 人間的に大きな成長を経て、新たな到達点へ

Billboard JAPAN

 デビュー曲にして、No.1をマークした「グッディーズ」から、早いもので10年…。ミュージックシーンも、さまざまな変化があったところだけれど、驚異的なスタイルと美貌は衰えるどころか、むしろ若さハジけるデビュー当初より、美しさに磨きがかかったと思わされる!手ブラに見返り美人風のジャケ写…イヤラしさがないのも、シアラ技。

 アッシャーの「YEAH!」に続き、帝王、リル・ジョンと共にクランク&Bを確立したシアラ。その後、一大ブームをむかえる80'sリバイバルのEDM時代には、馴染んでなかったように思う。そもそも、ポップ・シンガーではない。ブラック・ミュージックが根底にあって、その黒っぽさを活かしてこそ、魅力を発揮できる人なんだな、と本作を聴いて実感できた。


 リリースの1年前、リアーナとのお仕事などで、その名を知らしめたラッパー、フューチャーとの間にできた男児を出産。婚約破棄の痛手も食らい、出産の休養もままならぬうちの、復帰作とはとても思えない…見事なストレッチ・ダンスを披露した、先行シングルの「アイ・ベッド」には、脱帽した方も多いはず。アリアナ・グランデやビヨンセといった、今ときめくスターを手掛ける、ハーモニー・サミュエルズのお仕事が光るこのメロウ・チューン、ジョー・ジョナスのリミックスや、ラッパー、T.I.の90sアトランタ・ベースのリミックスも加わるというから、オイシイ!


 シアラの魅力は、軽いすぎない、ライトなヴォーカル。かといって、ズッシリ重い、R&Bのベースに負けない芯がある。宙に舞うようなファルセットは、聴き心地が良すぎて、ずっと浸っていたくなるほど。本作には、その美声が映えるナンバーが目白押しで、「1,2ステップ」(2004年)リメイクの「フライ」や、その「1,2ステップ」や「ルーズ・コントロール」(2005年)でパートナーを務めた、ミッシー・エリオットとの再タッグ「ザッツ・ハウ・アイム・フィーリン」、アンダードッグズが手掛けた「ワン・ウーマン・アーミー」あたりのお得意なアップから、ラストを飾る「アイ・ガット・ユー」でみせる上質なメロウまで、柔軟にこなすヴォーカル・ワークがすばらしい。


 前作、『シアラ』も自他ともに認める傑作だったけれど、それから2年…さまざまな経験を経て制作された本作では、人間的に大きな成長を遂げたからか、これまでと違ったテイストのシアラが満載!自身が母親になたことへのリスペクトも込めてか(?)母親であるジャッキー・ハリスから、アルバム・タイトル『ジャッキー』と名づけられたとのこと。10年前の、ちょっとワルっぽいブロンド時代も、それはそれ。母になった今、クランク&Bから、アダルト&Bへ…。


Text: 本家 一成


◎リリース情報
『ジャッキー』
シアラ
2015/05/27 RELEASE
2,376円(tax incl.)

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