著作権侵害の評決を受け、ファレルがエンタメ業界に警笛
著作権侵害の評決を受け、ファレルがエンタメ業界に警笛

 ロサンゼルス陪審は今月初め、ファレル・ウィリアムスとロビン・シックがヒット曲「ブラード・ラインズ~今夜はヘイ・ヘイ・ヘイ feat. T.I. & ファレル」でマーヴィン・ゲイの曲「Got to Give It Up」を盗用しているとの評決を下したが、ファレルは未だ“自身の曲はオリジナルだ”という姿勢を貫いている。評決が下されてから初めてとなるインタビューにて、ファレルが自身の考えを語った。

 フィナンシャル・タイムズ紙に対し、「著作権侵害はない」と話すファレル。「誰も人の気持ちや感情を所有することはできない……(音楽には)音の構成と進行しかないんだ。これらは違う曲だよ」と続ける。

 3月19日に出されたファレルのこのコメントは、マーヴィン・ゲイの遺産を守る彼の子供たちが出した公開状を受けてのものだった。同公開状には、「我々の父のような偉大なアーティスト達は、音楽を好きで作り続けます。しかし、我々はこのような宝を守る番人として、後世の人々がオリジナルを理解し、アーティストの意図したものを感じるために、またその価値を維持するために、音楽を無傷の状態にしておくよう警戒する義務があるのです」などと述べられていた。

 しかし、ファレルは「何かにインスパイアされたかもしれないものを作るクリエイターにとってハンディキャップになる」と、今回の評決はアーティスト達にとって良くないものだと主張する。「これはファッション、音楽、デザイン……何にでも適用されてしまう。もし我々が何かに影響されることの自由を失えば、エンターテインメント産業は知ってのとおり、訴訟によって凍りつくことになるだろう。これはアイデアを持っている人々の知的権利を守るもので……身の周りにある全てのものが、何かもしくは誰かからの影響を受けているんだ。もしそれを潰せば、創造する力はなくなるだろう」と話している。

 なお、ロビン・シックと共に上訴するかどうか尋ねられると、ファレル・ウィリアムスはコメントを控え、「我々はちょうど今、次のステップに取り組んでいる」とだけ答えている。