ジェラルド・ウェイが初来日公演 まさかの兄弟共演サプライズに大歓声
ジェラルド・ウェイが初来日公演 まさかの兄弟共演サプライズに大歓声

 初のソロ・アルバム『ヘジタント・エイリアン』をリリースしたマイ・ケミカル・ロマンスのフロントマンであり、カリスマ的な人気を誇るジェラルド・ウェイが、2月17日(火)東京・赤坂BLITZにて来日公演を開催した。

 日本のステージに立つのは、2011年に行われたマイ・ケミカル・ロマンスのジャパン・ツアー以来4年ぶりということで、バック・バンドにギター、ベース、ドラム、キーボードを従え、プラチナ色の髪に黒のスーツ、パープルのシャツとネクタイ姿のジェラルドがステージに登場すると、会場はこの日を待ちわびたファンの大歓声に包まれ、アルバム『ヘジタント・エイリアン』のオープニングを飾る「ザ・ビューロウ」でライブがスタート。

 続く、ソロ名義での初音源として昨年6月に突如発表された「アクション・キャット」では、アップテンポな楽曲に合わせ会場が揺れ、その熱量は一気に高まってゆく。ジェラルドが大人になりかけの高校時代に最も影響をうけたという、ブリットポップ/シューゲイザー的サウンドを全面に押し出した今回のソロ作品だが、マイ・ケミカル・ロマンスでも長年に渡りタッグを組んでいたダグ・マッキーンがプロデュースを手がけたこともあり、ライブにおいてもその新機軸とも言える刺激的かつポップなギター・サウンドが、ジェラルドの特徴的な歌声とメロディにうまく融合し、初のソロ公演ながら序盤から一体感が生まれていく。

 ジェラルドのリクエストで客席が照明に照らされると、1人1人の表情を確認しながら「みんな楽しそうだね」と満足そうに微笑み、「なんて素敵な夜なんだ。一緒に素晴らしい時間をすごそう!」と、最新シングルの「ミリオンズ」、疾走感あふれる「フアレス」、アルバム日本盤のみに特別収録された「テレヴィジョン・オール・ザ・タイム」など、次々と楽曲を披露。その変わらぬカリスマ性と貫録のパフォーマンスで客席を扇動する一方で、MCでは観客からの呼びかけ1つ1つに答えたり、ファンの服装や髪色を褒めたりと、終始アットホームな雰囲気でこの日の公演は進んでいく。

 そして、「今もサポートしつづけてくれて本当にありがとう。マイ・ケミカル・ロマンスの解散でみんなを混乱させてしまったと思うけど、またこういう機会に恵まれたことに心から感謝しているよ」と、自身の口から改めてファンやスタッフへ感謝の言葉を伝えると、「マヤ・ザ・サイキック」、「ノー・ショウズ」で盛り上がりはクライマックスに。ラストはジーザス&メリーチェインの「スネークドライバー」のカヴァーで、予定されていた演目が全て終了した。

 そして、アンコール。「1番辛いのは、マイ・ケミカル・ロマンスでライブをしなくなって、弟のマイキーとステージに立てないこと。でも今夜はマイキーが東京に来たよ!」と、ジェラルドが突然マイ・ケミカル・ロマンスのベーシストであり実の弟であるマイキー・ウェイをステージに呼び込むと、思いがけないサプライズに客席からは悲鳴のような歓声が。急遽マイキーも参加して未発表曲の「ドント・トライ」が披露され、心から楽しそうに歌うジェラルドと、その左側でベースを弾くマイキーの姿は、ファンにとって決して忘れられない光景となった。こうして演奏を終えると2人は固いハグを交わし、ジェラルドは「またすぐ戻ってくるからね。約束する!」とステージを後にした。

Photo by Kazumichi Kokei