ビョーク、“流出”効果か? ニューアルバムが好セールス中
ビョーク、“流出”効果か? ニューアルバムが好セールス中

 ビョークがニューアルバム『Vulnicura』のリリースを1月13日に発表してから1週間も経たないうちに同作の全内容がインターネット上に流出し、その数日後の20日にはダウンロードでのリリースを急ぐことになった。当初リリースが予定されていた3月から数か月も早まった形だ。

 しかしながら、どうやらリークに関する宣伝効果とリリースが早められたことが手伝い、同アルバムのセールスを加速させたようだ。ニールセン・ミュージックによると、1月25日締めのウィークリー集計で2万3,000ユニット以上を売り上げたといい、米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”の20位にチャートイン。ビョークにとって、初週1万5,000セールスで27位発進だった2011年の前作『バイオフィリア』よりも力強い出だしとなった。

 ビョークのウェブサイトでの説明いわく“完全なる傷心アルバム”だという『Vulnicura』は、3月3日にCDおよびレコード盤でリリースされる。

 なお、1993年のソロデビュー以来、ビョークが“Billboard 200”トップ10入りを果たしたのはわずか1度のみ。2007年の『ヴォルタ』が初登場にして最高位の9位を獲得した時だけだ。

 ビョークの2大セールス・アルバムではトップ30入りに届かなかったものの、長きに渡るチャートインを記録した。1993年のデビュー作にしてビッグセールスを記録したアルバム『デビュー』は、31週にわたりチャートイン。最高61位だった。同作は、過去にも先にも2曲のみとなった“オルタナティブ・ソング・チャート”トップ10ヒット(「ヒューマン・ビヘイヴィアー」と「ビッグ・タイム・センシュアリティ」)に支えられ、93万枚のセールスを記録。『デビュー』は彼女にとって最も売れた作品となった。

 また、1995年の2ndアルバム『ポスト』は2番目のセールス(84万6,000枚)を記録し、トータル20週にわたりチャートイン。最高32位をマークした。同アルバムには“ダンス・クラブ・ソング・チャート”で1位を獲得した曲が2曲(「ハイパーバラッド」と「アイ・ミス・ユー」)が収録されているが、恐らく最も良く知られているシングルは「イッツ・オー・ソー・クワイエット」だろう。スパイク・ジョーンズ監督による同ミュージック・ビデオは、MTVで大量にオンエアされ、【MTVビデオ・ミュージック・アワード】で6部門、および【グラミー賞】最優秀短編ミュージック・ビデオ賞にノミネートされた。