フィンランドが産んだ壮大で清澄な作曲家、ジャン・シベリウス生誕150周年が怒濤のスタート

2015/01/29 16:17

 2015年はフィンランドの大作曲家ジャン・シベリウス(1865-1957)の生誕150周年のアニヴァーサリー・イヤーだ。『フィンランディア』やヴァイオリン協奏曲など、誰しも一度は聴いたことのある有名曲で親しまれている作曲家だろう。

 91歳まで生きたこの大作曲家の人生は、まさに山あり谷あり。酒とタバコが大好きで、お洒落やグルメにのめり込み、経済面では大変困窮した人生だったが、才能豊かな最愛の妻アイノが常に彼を支えていたという。この愛すべき偉大な作曲家の生誕を祝うため、今年は世界中でシベリウス関連のコンサートや展示会が開催され、また録音や出版物も怒濤の勢いをみせる。日本でも多くのオーケストラや演奏団体がシベリウスを取り上げるので、その一端をご紹介しよう。

 日本フィルハーモニー管弦楽団は創立指揮者をフィンランド人を母に持つ渡邉曉雄がつとめた縁で、日本にシベリウスの紹介に尽力したオーケストラとも言えるだろう。第1回定期演奏会(1957年)のメインには、シベリウスの交響曲第2番を取り上げるほどであった。今年の記念すべきアニバーサリーイヤーには、渡邉曉雄の愛弟子である小林研一郎がこの交響曲第2番に取り組む。また同時に、グリーグの『ホルベルク組曲』も演奏される。デンマーク統治下にあったノルウェーが産んだ、デンマーク文学の父ルズヴィ・ホルベアの聖誕祭の為にグリーグが書いた曲である。スウェーデン系フィンランド人でグリーグと同時代人のシベリウスという繋がりを思い起こさせる、楽しみな北欧プログラムとなっている。

 パーヴォ・ヤルヴィとNHK交響楽団が、庄司紗矢香を迎えておくるヴァイオリン協奏曲へ熱い視線が注がれている。幼い頃よりヴァイオリンを弾いていたシベリウスは、ウィーン留学中にウィーン・フィルの入団オーディションを受けたが、あえなく落選。そんなシベリウスのヴァイオリンへ対する思い入れが存分に感じられる、たったひとつのヴァイオリン協奏曲。R.シュトラウス指揮、ヨアヒムのソリストで行われたドイツでの改訂版初演は大好評を博し、現在ではシベリウスの代表曲と言ってもよいだろう。第1楽章冒頭について言った「極寒の澄み切った北の空を、悠然と滑空する鷲のように」というシベリウスの指定を思いおこし、開演を楽しみにしたい。

 その他、札幌交響楽団と尾高忠明によるシベリウス交響曲全曲シリーズで交響曲5、6、7番を一挙演奏。2013年より3年計画で取り組んでいるシベリウスの交響曲全曲演奏の集大成を聴くことができる。また3月には管弦楽・男声合唱・独唱という大編成によるフィンランド叙事詩「カレヴァラ」による音楽絵巻『哀しき勇者Kullervo』が演奏されるなど、多彩な編成でのシベリウスと出会える楽しみな年になりそうだ。text:yokano

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