2CELLOSが東京タワーにて大盛況の迫力フリーライブを敢行 ノッポンも登場したゆるふわトークも
2CELLOSが東京タワーにて大盛況の迫力フリーライブを敢行 ノッポンも登場したゆるふわトークも

 2015年1月20日(火)、クロアチア出身のイケメン・チェロ・ユニット、2CELLOSが東京タワーにてフリーライブを行った。

 4年前の1月20日、2CELLOSの二人が最初のカバー動画としてマイケル・ジャクソンの「スムーズ・クリミナル」をYoutubeにアップした記念日を祝う、ということで行われた今回のフリーライブ。TVCM等を通して既に日本でもお茶の間レベルの知名度となったことに加えて、翌日の2015年1月21日には新作3rdアルバム『チェロヴァース』の発売も控える絶好のタイミングということもあり、開場は見事に満員御礼となった。

 観客がいまかいまかと待ち構える中、司会者のアナウンスに続いて2CELLOSの二人、ルカ・スーリッチとステファン・ハウザーが登場。ファンの大歓声に応えて満面の笑みを見せつつ、早速演奏の準備に入る。この日の2CELLOSは、ルカが黒いTシャツにジーンズ、ステファンは黒いTシャツとジーンズに黒い革のベストという、お揃い感のある出で立ち。一方、二人の使うエレキ・チェロは、ルカが白、ステファンが黒と対照的なカラーだ。

 1曲目に演奏されたのは先日MVも公開されたアヴィーチーの「ウェイク・ミー・アップ」のカバー。待ちに待った2CELLOSの演奏に観客も大きな手拍子で迎える。後半にはステファンの足踏みで原曲のキック・ドラムを再現し、激しい演奏をさらに盛り上げた。

 「みんな調子はどう?」というルカのMCに続き、2曲目はスティングの「シェイプ・オブ・マイ・ハート」のカバー。アップテンポな「ウェイク~」から一転、こちらはうっすらと掛かったディレイのエフェクトも印象的な、幽玄なパフォーマンスとなった。

 続く3曲目は、AC/DCの「サンダーストラック」。ループ・ペダルを使い、リアルタイムに音を重ねていく手法でルカが演奏の基礎となるトラックを作る一方、ステファンは頭を振り乱す本物のロックスターさながらのワイルドなパフォーマンスを披露。終盤のクライマックスでは、ステファンが地面に寝転がって演奏するという、昨年公開された同曲のMVと同じパフォーマンスを見せて会場を盛り上げた。その激しいパフォーマンスに、3曲を終えた時点でチェロを弾く二人の弓も既にボロボロだ。

 トーク・コーナーでは、翌日1月21日に発売となるアルバムのタイトル『チェロヴァース(CELLOVERSE)』について司会者から質問が。この問いにルカは「チェロと宇宙(ユニバース)が合わさってできた言葉だよ。アルバムには僕たちオリジナルの“チェロヴァース”という曲も入ってるんだ。元々はファンが(僕達の演奏を表現するために)SNSで使ってくれた言葉だったんだけど、ファンに恩返しするつもりで新作のタイトルにしたんだよ」と丁寧に説明。一方、ステファンは“発売を前にしてどう思うか?”という質問に「ついに『チェロバース』に入れるよ!宇宙に行くのさ!この日がきたんだよ!」とおどけて見せた。

 また、“新作はどんな作品になってるか?”という質問にルカは「今回は自分たちのセルフ・プロデュースの作品で、一番進んでるアルバムだね。違うタイプの曲が揃ってるし(初回盤には)映像もつく。観て聴いて楽しむアルバムさ。」と作品の魅力をアピールした。

 “マイケルの「スムーズ・クリミナル」動画を公開した4年前、今みたいな未来を想像してた?”という質問には、ステファンが「もちろんしてたよ。(ファンに向かって)だよね?」と会場を笑わせると、ルカは「本当にめまぐるしい4年間だったね。初めて日本に来た時は一目惚れのような気分になったよ。日本のファンは本当に早くから僕らをサポートしてくれた特別な存在だね。本当に感謝してるよ。」とファンへの感謝を述べた。その感謝に応えるように、ファンからも2CELLOSの結成4年を祝う「ハッピーバースデー」の歌が送られた。

 続いて、事前にTwitterで募集された“2CELLOSにカバーして欲しい曲”の演奏コーナーへ。ルカの「音楽でみんなを勇気づけたいから何の曲か考えてみて」というコメントに続いて演奏されたのは、なんと森山直太朗の「さくら」。日本人なら誰もが知る有名曲のスペシャルな演奏に観客も静かに聴き入った。演奏後、ルカは「この曲でみんなを勇気づけられたら良いなと思って選んだよ。夢を叶えてください。」とコメントした。

 ここで事前にアナウンスされていた通り、東京タワーのゆるキャラ、ノッポンの二人が登場する。2CELLOSのメンバーも面白がって、ルカがノッポン(弟)を指して「僕の彼女だよ」とコメントすれば、ステファンはノッポン(兄)とファイティング・ポーズで牽制し合う展開に。ノッポン(兄)側の積極的な介入もあり、一旦は収集がつかなそうになるものの持ち直し、“ノッポンも2CELLOSのビデオに出演したいから、2CELLOSの演奏に合わせて踊る”という流れに。

 ノッポン・オンステージのまま2CELLOSが最後に演奏したのは、ドコモのCMソングでもお馴染みの彼らのオリジナル曲「影武者」からマイケル・ジャクソンの「スムーズ・クリミナル」のメドレー。最後まで息をつかせぬ激しいパフォーマンスで観客を魅了した。

 演奏後には司会者から“1月20日を日本の正式な記念日として、日本記念日協会に申請した”という発表も。ファンの歓声の中、代表でノッポンから2CELLOSの二人へ記念状が贈呈された。また今年6月から彼らにとって4度目となる日本ツアーが行われることもアナウンスされた。
 
 イベントの幕引きに相応しい晴れやかなムードが広がるなか、またしてもノッポン(兄)が積極的なアピールで、2CELLOSに入れてくれという無茶ぶりを始める。2CELLOSの二人もそこに悪乗り。「じゃあ、4CELLOSにしよう」「でも、チェロは2本しかないから交替で弾くしかないね」「じゃあ、(ノッポンの)二人が弾いてる間、僕らはこうやって踊ってるね」と会場を盛り上げた。

 やりとりが一段落すると、いよいよ本当に幕引きの時間。最後は、壇上の4人に観客も加わっての記念撮影。そこで終わり…と思いきや、記念撮影の後も2CELLOSの二人は10分以上もの間、サインや写真撮影といったファンのリクエストに快く応じていた。2CELLOSの迫力の演奏も体験しつつ、若干グダグダになりそうなユルさも心地よい、ファンとメンバーの距離感が非常に近いイベントだった。

Photo:Shinji Yamamoto

◎リリース情報
『チェロヴァース|CELLOVERSE』
2015/01/21 RELEASE
初回生産限定盤Blu-spec CD2+DVD: SICP-30706-7 4,167円(tax in.)
通常盤Blu-spec CD2: SICP-30708 2,700円(tax in.)

◎公演情報
【2CELLOS ON THE ROAD】
2015年6月25日 北海道・ニトリ文化ホール
2015年6月27日 岩手・都南文化会館キャラホール
2015年6月28日 宮城・東北大学百周年記念会館川内萩ホール
2015年6月30日 神奈川・KAAT神奈川芸術劇場
2015年7月3日 東京・Bunkamuraオーチャードホール
2015年7月5日 東京・Bunkamuraオーチャードホール
2015年7月6日 大阪・フェスティバルホール
2015年7月7日 愛知・名古屋市公会堂
2015年7月8日 広島・アステールプラザ 大ホール
2015年7月9日 福岡・国際会議場メインホール
詳細URL:http://udo.jp/Artists/2Cellos/index.html