全米年間チャート発表、シングルは首位獲得最長記録のファレル「ハッピー」がNo.1に
全米年間チャート発表、シングルは首位獲得最長記録のファレル「ハッピー」がNo.1に

 2014年度の米国ビルボード年間チャートが発表。シングル総合チャートBillboard Hot100は今年首位獲得最長記録の10週No.1をマークした、ファレル・ウィリアムスの「ハッピー」が、堂々の年間No.1に輝いた。

 ソロ作品、また自身がプロデュースした作品を含めても、年間首位獲得はこの「ハッピー」が初となる、ファレル。昨年は、12週のNo,1をマークした、ロビン・シックとの「ブラート・ラインズ」が年間2位を獲得したばかりだが、2年連続の年間チャートTOP3入りを果たすという快挙を成し遂げた。ファレルは、2005年にグウェン・ステファニーのプロデュースを務めた「ホラバック・ガール」を年間2位に送り込んだが、10年越しにその記録を塗り替える、自己最高位をマークした。「ハッピー」はアメリカだけに留まらず、全世界の主要各国で首位をマーク。CMに起用されたことや、キャッチーなメロディーが大衆ウケしたということもあるが、何といっても全世界を周る24時間のPVが話題を呼んだことが大ヒットの要因。5億回を突破する視聴回数が、ストリーミングポイントとして大きく貢献した。

 2位はケイティ・ペリーの「ダーク・ホース」がランクイン。2010年に「カリフォルニア・ガールズ」が年間4位、続く2011年は「ファイヤーワーク」が年間3位、「E.T」が年間4位と2年連続、2作独占と記録を塗り替え、昨年は 「ロアー」が秋にリリースされたにもかかわらず、駆け込みで年間10位にランクインするという快挙を成し遂げたケイティ。もはや年間チャートの常連、女王の風格すら漂わせるが、年間チャート2位は自己最高位となる。

 シングルチャートでは初のTOP10入りにして初のNo.1獲得を果たした、ジョン・レジェンドの「オール・オブ・ミー」は年間3位に。TOP10内滞在数をみると、上位2者よりもロングヒットを記録していたことがわかる、この曲。単発的に売れたということではなく、とにかく息が長かったという印象で、幅広い層に支持されたことが、各ポイントを平均的に獲得した要因だろう。

 女性ラッパーとしては、2012年に年間9位をマークした、ニッキー・ミナージュの「スターシップ」以来となるイギー・アゼリアの「ファンシー」が今年の年間4位。7週間の首位をマークし、ブレイク曲にしてモンスターヒットとなったこの曲。同時期には、アリアナ・グランデとの「プロブレム」と1,2位を独占、続いて「ブラック・ウィドウ」も大ヒット(年間26位)するなど、とにかく今年は大活躍だった、イギー。この曲でパートナーを務めた、チャーリー・XCXも注目を集め、「ブーン・クラップ」が、年間34位と大健闘した。

 5位のワン・リパブリック「カウンティング・スターズ」や、6位にランクインした、ジェイソン・デルーロの「トーク・ダーティー」は、首位こそ獲得していないものの、上位にランクイン。毎年、このポジションはいかにロングヒットしたかがキーとなるアーティストの定位置で、彼らろ TOP10再 に20週近くランクインするという記録を打ち立てた。

 7位には、2014年の夏を彩ったレゲエチューン、マジック!の「ルード」が、夏が終わって秋から累計8週の首位をマークした、メーガン・トレイナーの「オール・アバウト・ザット・ベース」が、8位に続いてランクインした。驚くことに、どちらも自身のデビュー曲であるということ。4位のイギー・アゼリアを含め、TOP10内は新人のブレイク曲が並んでいるということも、今年のチャートアクションの特徴。

 9位のアリアナ・グランデが放った「プロブレム」も、今年デビューの新人ということではないが、昨年から大きく飛躍し、トップスターにのし上がったという意味では、この曲がブレイク曲ともいえる。そして、10位にランクインしたサム・スミスもまた、今年デビューの新生だ。この「ステイ・ウィズ・ミー」は、2015年のグラミー賞の最有力候補ともいわれていて、同曲が収録されたデビュー作『イン・ザ・ロンリー・アワー』も、年間11位にランクインする大ヒットを記録した。

 TOP10以下を見渡しても、12位のバスティルや、14位のニコ&ヴィンスなど、今年はじめてランクインしたアーティストが上位にランクインしている。また、昨年デビューしたロードは18位と20位に、自身のプロデュース曲としては初のランクインとなったシーアが25位と、2010年以降にデビューしたアーティストが、TOP30以内では独占していることがわかる。

 その中でも、16位にはラッパー、エミネムの「ザ・モンスター」が、17位にはクリスティーナ・アギレラの「セイ・サムシング」がランクインし、デビュー20周年を迎えたエンリケ・イグレシアスの「バイランド」は38位にランクインするなど、90年代にデビューしたアーティストによるヒット曲も、少ないながらにインパクトを残した。

 また、アルバムチャートでは、堂々年間首位を獲得した、『アナと雪の女王』から、日本でも「ありのままで」ブームを巻き起こした原曲、イディナ・メンゼルの「レット・イット・ゴー」が21位にランクインした。日本人からみる、「今年の洋楽の大ヒット曲」は、まさにこの曲ではなかったか、と思う。