ピエール・モントゥー復刻盤が6点が同時チャートイン。サラ・オレイン新譜が4週連続首位独走
ピエール・モントゥー復刻盤が6点が同時チャートイン。サラ・オレイン新譜が4週連続首位独走

 今週のBillboard JAPAN Top Classical Albumsは、指揮者ピエール・モントゥーの歴史的録音復刻盤が6枚同時チャートインとなった。第1位は、4週連続で首位を独走中のサラ・オレインのセカンドアルバム『SARAH』。ファーストアルバム『セレステ』も13位に同時チャートインとなり、2枚同時のチャートインは4週連続となっている。第3位となった『PURE ピュア』は、生誕90年の記念年を迎えるマリア・カラスの新コンピで、こちらも4週連続のチャートインを飾った。

 あの伝説のバレエ団「バレエ・リュス」でタクトを振り、多くの初演を行ってきた指揮者ピエール・モントゥー。2014年に没後50年となり、今年多くの復刻盤が発売されている。今週は新たに再発された復刻盤が6アイテム同時チャートインとなった。2位は87~88歳時にかけて収録されたロンドン交響楽団との「白鳥の湖」抜粋から始まり、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団との共演も。5位にはシベリウス第2番とドヴォルザーク第7番収録、6位は得意のフランスアルバム、ドビュッシーとラヴェルのカップリング。9位はリムスキー=コルサコフとチャイコフスキー、16位はエルガーとブラームスの変奏曲カップリング、19位はフルート奏者であるクロード・モントゥーとの共演と、指揮者としても活躍したクロードによるラヴェル3作品管弦楽曲集で、こちらは世界初CD化となっている。

 初登場11位には、レ・ヴァン・フランセの新譜『管楽器とピアノ』がチャートイン。フランスの作品(CD1)、モーツァルトとベートーヴェン(CD2)、ロマン派作品(CD3)で構成される充実の3枚組となっている。管楽器のスーパースターたちが洗練のスタイルと驚異のテクニックで魅せる、室内楽の妙なる愉悦を感じる作品。現代最高のクラリネット奏者といわれるポール・メイエが、国際的に活躍する10年来の友人達と結成した、フランスのエスプリを受け継ぐ木管アンサンブルは2002年に初来日し、予想を遙かに超えた完璧な演奏で衝撃を与えた。この秋行った日本ツアーの曲目が網羅された3枚組となっている。

 初登場12位となったのは夭折のピアニスト、カッチェンが32歳の時の、ブラームス。ピアノコンチェルト1番と2番両方が収録されており、1番はモントゥー83歳の時の共演、2番はフェレンチクとの共演で2枚組となっている。得意としていたブラームスの貴重な録音は、1960年前後のものとはいえ非常に鮮明なものとして残っている。今回新たにアナログマスターから、ハイビット・ハイサンプリングでデジタル化した復刻盤。

 他、4位にヴァイオリニスト高嶋ちさ子『COLORS~BEST SELECTION~』が14度目のチャートイン、8位のデイヴィッド・ギャレット『愛と狂気のヴァイオリニスト』は17度目のチャートイン。10位に五嶋龍『リサイタル』が10度目のチャートイン、14位の辻井伸行『ラ・カンパネラ ~ヴィルトゥオーゾ・リスト!』は4週連続のチャートインを飾るなど、現在活躍中のアーティストがその顔ぶれを見せる結果となった。

text:yokano