【スペシャ列伝】103回目は怒髪天、グドモ、tricotら5組が、熱狂に次ぐ熱狂
【スペシャ列伝】103回目は怒髪天、グドモ、tricotら5組が、熱狂に次ぐ熱狂

 スペースシャワーTVのライブイベント【スペースシャワー列伝100巻記念公演 ~第103巻 熱狂の宴~】が10月7日(火)に開催。怒髪天、グッドモーニングアメリカ、tricot、ircle、BLUE ENCOUNTら5組が、熱狂に次ぐ熱狂を東京・新宿LOFTで繰り広げた。

 スタート開始定刻となり幕が開けると、薄暗く照らされたステージにはBLUE ENCOUNTのメンバーが。途端にパッと明るくなり、客席からの大歓声と万雷のハンド・クラップが巻き起こった「JUST AWAKE」で熱狂の宴の始まりを告げれば、あっと言う間に客席のセンター付近から続々とダイバーが出現。続く「HALO」では、ニコッと微笑み、サビの一文を“列伝”に代えて披露する余裕っぷりをみせるなど、早くもフロアをオーバーヒートさせてみせる。中盤からは、田邊駿一(Vo/Gt)は「今日、ここ(新宿LOFT)を選んだことを後悔させないから最後までついてこいよー!」と、メジャーデビュー1stミニアルバム『TIMELESS ROOKIE』から「NEVER ENDING STORY」、「ロストジンクス」、「MEMENTO」を次々と投下し、これこそライブハウスでのパフォーマンスと言わんばかりに、ステージ上も客席も汗まみれになるほど熱気に包まれたアクトで、ラストの「HANDS」までを駆け抜けた。

 2番手で登場したircleのスタートは、遥か頭上に設置されたシンバルが一際目を引く、ショウダケイト(Dr)のドラムから叩き出された「呼吸を忘れて」だ。初っ端から全力で奏でるエネルギッシュなバンド・グルーヴに圧倒されたオーディエンスも少なくないだろう。そこからは、9月3日にリリースした『iしかないとか』からのナンバーが立て続けに続く。「ノーリタイア」、「セブンティーン」など、河内健悟(Vo /Gt)ボディー・ランゲージを交えながら発せられる、繊細な裏声から、魂から絞り出すように絶唱するボーカルは見る者を魅了し、正真正銘、全力のアクトをオーディエンスにぶつけてくれた。

 タイミングを取るように、各々メロディーを引き鳴らしながら姿をみせたtricot。そして、目があった瞬間、一気にスタートの口火を切ったのは「POOL」だ。彼女らのライブの真髄であろう、ヒロミ・ヒロヒロ(Ba/Cho)の芯まで轟く図太いベース・ラインが轟々とフロアに振動すれば、tricot節の要、キダモティフォ(Gt/ Cho)の変則的なギターフレーズが緩急をつけながら攻め立ててくる。「列伝お願いします。」と、はにかみながら話したキダのMCでフロアを和ませたかと思ったのも束の間、イントロから首が取れるんじゃないかと思わせるほど、ステージ上で振り乱れるキダが印象的であった「爆裂パニエさん」を投下し、フロアも巻き込んでハチャメチャに揺らしていく。ラスト前のMCでは中嶋イッキュウ(Vo/ Gt)が、「この言葉は列伝から言い始めたんで…」と、おもむろに話し、言い放った「かかってこいやー!」の決まり文句が響き渡ったと同時に「99.974℃」を投下。PVを【スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2013】でのライブ映像で制作した、想いの詰まったナンバーで灼熱のアクトを締めくくった。

 続いてのグッドモーニングアメリカは、椎名林檎の「歌舞伎町の女王」をSEに、“歌舞伎町の女王”のコスプレに扮したたなしん(Ba/ Cho)が客席後方から客席を横断しながら登場。ステージに上れば、「いつもの、やっていいですかー!」叫び、オーディエンスも待ってたと言わんばかりに「3、2、1、ファイヤー!!」と、スタートのピストルが鳴り響き「キャッチアンドリリース」で幕開け。続く「イチ、ニッ、サンでジャンプ」直後のMCでは、渡邊幸一(Gt/Cho)が最新アルバムの話を持ち出して、オーディエンスも期待感を抑えるのに必死といった模様。たなしんがサビでのレクチャーを終え、告げられたのは、もちろん最新アルバムから「inトーキョーシティ」だ。その後も「拝啓、ツラツストラ」、「未来へのスパイラル」など、心震わせる、キャッチ―なナンバーの数々はオーディエンスを幸せな空間へと導き続けてくれた。

 最後にステージに姿を現したのは、熱狂の宴を締めくくるどころか、再熱狂させてくれた怒髪天だ。怒号のようなドラムビートとファンキーなギターリフがフロアを轟けば、増子直純(Vo)は、こぶし効かせ、しゃくらせながら熱唱した「一番星ブルース」を、そこから、シームレスに突入した「押忍讃歌」では、これでもかと言わんばかりに正拳突きを放ち、オーディエンスも奮起させられ、導かれるように拳を突き掲げた。しかし、その後のMCで増子が話すのは、「なんで最後なの?」とか「なんか違うな。なんで俺たちなの?」とか、先にアクトを終えた若手バンドたちの熱演ぶりに少々押され気味だ。とはいえ、さすがベテランと言うべきか、「盛り上がらないと出口溶接しちゃうぞ。」とか「104巻も出演しちゃうぞ。」とか、シュールなMCで笑いを生み出し、自分たちのペースに巻き込んでいく。そして、「この時間帯だし…」とおもむろに話し演奏したのは、怒髪天・流マーチング・ソング「ビール・オア・ダイ」、続いて「おかわり―!」と言い放ち「ヘベレ・ケレレ・ヨー」を、さらには、増子は酔っ払いを演じながら「めでたい日だし、もう一杯いただいちゃっていいかな?」と告げ「酒燃料爆進曲」と、酒絡みのナンバー3連発で、キッズたちの心も鷲掴みにしてみせる。腕を振りかざしたり、突き上げたり、阿波踊りが始まったり、とにかく、熱く、陽気にフロアをまとめ上げていった。ラストの「オトナノススメ」を終え、全オーディエンスをしゃがませると、「これ(本イベント)に関わった人だけが幸せでありますように!(笑)」と一言添えて、ステージ上とフロアが一体となった大ジャンプで幕を閉じた。

 【スペースシャワー列伝】各公演の模様は全3回に分け放送。第1回目は10月28日(火)にスペースシャワーTVにて特別番組としてオンエア予定。

Photo by 釘野孝宏

◎番組放送情報
スペースシャワーTV『スペースシャワー列伝100 Vol.1』
<初回放送>
2014年10月28日(火)23:30~24:00
<リピート放送>
11月予定
info:http://www.spaceshowertv.com/retsuden/100/