トニー・ベネット&レディー・ガガのデュエット・アルバムが全米No.1デビュー
トニー・ベネット&レディー・ガガのデュエット・アルバムが全米No.1デビュー

 トニー・ベネット&レディー・ガガのデュエット・アルバム『チーク・トゥ・チーク』がNo.1デビューを果たした10月11日付アルバムチャート。

 ジャズの王様トニー・ベネットとクイーン・オブ・ポップことレディー・ガガのコラボは、リリース前から大きな話題を呼んでいて、ガガが精力的にSNSなどでプロモーションを行ったり、メディアに露出したことがヒットに繋がった。とはいえ従来のポップ・アルバムでない本作が、13万枚を超える初動枚数を獲得できたのは、やはり往年のトニー・ベネット・フォロワーのおかげでもあり、トニー氏は御年88歳。この歳でのNo.1獲得は死去したアーティストをのぞけば最高齢であり、前代未聞の記録だ。トニーのスタジオアルバムとしては57作目、No.1獲得は3年前にリリースされた自身初のNo.1獲得アルバム『デュエッツ?』以来、約3年ぶり。ガガにとっては、昨年秋にNo.1デビューを果たした3rdアルバム『アートポップ』に続く通算3作目で、『ボーン・ディス・ウェイ』(2011年)から3作連続の首位獲得となる。「スウィングしなけりゃ意味がない」や「エニシング・ゴーズ」といった名曲をイジり過ぎず丁寧に焼きなおしたのが年配のリスナーにも好評で、レディー・ガガの新たな才能を見い出したアルバムでもあり、若年層にトニー・ベネットのすばらしさを認知させたアルバムでもある。

 実は本来No.1デビューが予想されていてのは、この『チーク・トゥ・チーク』ではなく、2位にデビューしたケニー・チェズニーの『ザ・ビッグ・リバイバル』だった。それもそのはず、初動枚数は1000枚に満たないごくわずかなもので、ほぼ同等のセールスだったといってもいい。そのごく僅かな差で首位を逃したケニーだが、カントリーチャートでは当然の首位デビュー、そして本作で、通算11作目のTOP3入りを果たした(うち7作がNo.1)。また、カントリーチャートでは13作連続の首位獲得となり、2000年代以降のカントリー界は、彼なしでは語れないほどの存在感をみせている。

 先週No.1デビューを果たした3位のバーブラ・ストライサンド『パートナーズ』も、トニー&ガガのアルバムに通ずる、ベテラン&若手シンガーのデュエット型式であり、なんと今週も127,000枚と2週目にして高セールスをたたき出している。今後、こういったコラボ盤を流行させる一人者となったのは、バーブラかもしれない。

 4位にはロック・バンドのアルト・ジェイが初登場。本作『ディス・イズ・オール・ユアーズ』は、彼らにとって約2年ぶり、通算2作目となるスタジオアルバムであり、UKではデビューアルバムで獲得した13位から首位獲得へ、アメリカでは80位から4位へと大躍進を遂げた。そのほか、主要国8か国でTOP10入りを果たしていて、この2年でいかに世界で知名度をあげたかということが数字に現れている。

 今年のサマーソニック2014にも参加し、日本のメディアにも精力的に登場したア・カペラ・グループ、ペンタトニックスは5位に初登場。46,000枚を獲得してデビューした彼らの5thアルバム『Ptx3』には、今年の夏大ヒットした、アリアナ・グランデの「プロブレム」が収録されていて、アリアナ自身も「私より上手!」と絶賛しているほどの出来栄え。また、オリジナルソングの完成度も高く、今もっともホットなアカペラ・グループといっても過言ではない。そんな彼らの需要がさらに増すクリスマスシーズンには、クリスマス・アルバムのリリースも予定されていて、これで2014年度は3枚のアルバムをリリースすることになる、ペンタトニックス。冬の来日公演にも期待したい。