巨匠達の復刻盤が怒濤のチャートイン モントゥー、シューリヒト、シェリング、グルダ、クイケン兄弟
巨匠達の復刻盤が怒濤のチャートイン モントゥー、シューリヒト、シェリング、グルダ、クイケン兄弟

 今週のBillboard JAPAN Top Classical Albumsは、デイヴィッド・ギャレット『愛と狂気のヴァイオリニスト』が12週連続のチャートインで首位を独走中。2位と3位は共にシューリヒト指揮のモーツァルトとブルックナー復刻盤、4位はシェリングのベートーヴェンのヴァイオリンコンチェルト、7位にクイケン兄弟らによるモーツァルトのフルート四重奏、10位にグルダのベートーヴェン、そして5位以下にモントゥー指揮の復刻盤が6枚と、巨匠達の往年の名演奏が大量チャートインする結果となった。

 日本コロムビアとタワーレコードによる“The Valued Collection「コンサートホール原盤」復刻シリーズ”は、かつて会員制で豊富な音源を通信販売していたコンサートホール・ソサエティの音源を最新マスタリングで発売するという、往年のクラシックファン垂涎の企画。昨年発売された20タイトルに続き、最新5タイトルがリリースされ、今回全てがチャートインした。シューリヒトのブルックナーとモーツァルト、2014年没後50年の節目となるモントゥー最晩年のベルリオーズとモーツァルト、そしてウィーンの誇る鬼才グルダの2面性を映したベートーヴェン『皇帝』を含む2枚組と、いずれも劣らぬ超名演がカップリングされている。

 エソテリック名盤復刻シリーズに登場した最新盤が2枚同時チャートイン。4位はシェリング「ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲&ロマンス」、クイケン兄弟による「モーツァルト:フルート四重奏曲全集」が7位で、2タイトルとも初のSACDハイブリッド化(ステレオ)である。シェリングにとって3回目の録音となるベートーヴェン、共演はベルナルト・ハイティンク指揮するロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団。またモーツァルトのフルート四重奏曲全集は、バルトルド(フラウト・トラヴェルソ)、シギスヴァルト(ヴァイオリン)、ヴィーラント(チェロ)のクイケン三兄弟と、ルシー・ファン・デール(ヴィオラ)による演奏で、1982年に録音されたもの。発売当初から、その演奏の見事さと録音の美しさが高く評価されてきた名盤である。

 また、ユニバーサル・ミュージックとタワーレコードによる“VINTAGE COLLECTION +plus”特別編「没後50年 ピエール・モントゥーの芸術」にて発売されたモントゥー晩年の録音4枚が、2週連続でチャートインした。11位にウィーン・フィルとのベルリオーズ「幻想交響曲」、パリ音楽院管弦楽団とのストラヴィンスキー「火の鳥」組曲。14位はブラームスの2番、メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」、17位がはモントゥーが初演を行った2演目、ストラヴィンスキー「春の祭典」「ペトルーシュカ」の併録。そして19位がハイドン「驚愕」「時計」とシューベルト「ロザムンデ」となっている。

text:yokano