怪談/V系/ロック/サブカル/アイドル大乱戦……SuGフェスは終わらない
怪談/V系/ロック/サブカル/アイドル大乱戦……SuGフェスは終わらない

 8月19、20、21日と異種交流フェス【渋谷 SuG Fes 2014 夏】をTSUTAYA O-EASTで開催したSuG。攻め過ぎたイベントゆえ券売に苦戦したものの、フロントマンである武瑠(vo)は同フェスの“継続”を3日間にわたって宣言し続けた。

SuGフェス出演者ライブ写真一覧

<「来てくれさえすれば、絶対に楽しめる」見事に具現化>

 SuGは「普通じゃ体験できないことを体験させてあげたい」という想いを胸に抱きながら、稲川淳二、赤飯ロマン横丁(セキハンロマンアベニュー)、アップアップガールズ(仮)、LM.C、ベイビーレイズ、アンティック-珈琲店-、神聖かまってちゃん、アーバンギャルド、LUI◇FRONTiC◆松隈JAPANといったカオティックなラインナップを招聘。初日から現場では、赤飯ロマン横丁とアップアップガールズ(仮)のファンが仲良くなって盛り上がっている光景が見受けられたり、おそらく初めて観るであろう稲川淳二の怪談に一同で怖がったり、SuGのライブでも同じく各ファン揃って激しくヘドバンを繰り広げたりと、SuGの「来てくれさえすれば、絶対に楽しめる」という言葉が見事に具現化されていた。

<事件連発も最終的には全アクトが大盛況、謎の一体感>

 2日目もそれは同様で、LM.C、アンティック-珈琲店-とV系勢に囲まれる形で出演したアイドル、ベイビーレイズのファンもステージ上のSuGから絶賛されるほどV系のノリを飲み込んでいたし、武瑠(vo)がLM.Cのアクトに登場した際には当然ながら凄まじい嬌声が会場を包み込む。また、3日間の中で“最も危険”と目されていた最終日は、アーバンギャルドの松永天馬が事前に「ライブでセックスで殺し合い」と同公演を煽ったり、LUI◇FRONTiC◆松隈JAPANのプールイがSuGファンの目前で武瑠(のお面)に熱烈キッスを噛ましたり、神聖かまってちゃんのの子がバンギャの群れへ美しい放物線を描きながら飛び込んだりと、事件連発。しかし最終的には全アクトが大盛況、謎の一体感が生まれていた。

<「俺たちはおまえたちいねぇと何も出来ねぇんだよ!」>

 また、最終日のSuGは自身のステージにアーバンギャルドやプールイを呼び込んでいき、更には二階席で観覧していた元BiSメンバーたちにも「降りて来いよー!」と煽り、異端児フェス(http://bit.ly/1iSNbEn)で生んだサークルモッシュの再現を試みる。何でもアリの異種交流フェスに相応しいフィナーレ。そこで武瑠は初日、2日目同様、このイベントのチケットが全日ソールドアウトしてないことを告げた上で、こう宣言した。

 「この挑戦は間違っていなかったと、みんなの顔見て改めてそう思いました。だからね、このめちゃくちゃなSuGフェス、俺たちはどんどんどんどん続けていって、来年、再来年とどんどんでっかくして、どんどんどんどん狂ったフェス創っていこうぜ! 一緒に作っていこう! 俺たちは何にも出来ねぇよ、おまえたちいねぇと何も出来ねぇんだよ!」

 その声に全身全霊で呼応する観客。敢えて荊の道を進んでいき、自らを四面楚歌の状況に追い込む近年のSuGに対し、「なんで?」と理解できないファンもいたとは思うが、その答えを武瑠は最後に語った。「この3日間通して、音楽を通して単純にドキドキしたいだけなんだなってことを再確認しました! ありがとう! 俺たちはこの3日間でたしかにジャンルの壁をぶっ壊して、扉に手をかけたところです。あとはおまえらがついてくるかどうかだ!? 当然ついてくるよな!? 行くぞ! 行くぞ! ぶっ壊しに行くぞ!」

取材&テキスト:平賀哲雄