元テレパシー名倉七海 アイドル時代の辛い現実&エアギター世界戦語る
元テレパシー名倉七海 アイドル時代の辛い現実&エアギター世界戦語る

 宇宙初のエアギターアイドルとして活躍するも、今年4月に解散したテレパシー。そのメンバーだった名倉七海(19歳)がエアギター史上最年少の日本チャンピオンとなり、世界大会への意気込みを語った。

元テレパシー名倉七海 エアギター写真一覧

<テレパシー時代の公約“エアギター世界チャンピオンになる”>

 彼女はテレパシー時代にメンバーと共に“エアギター世界チャンピオンになる”という公約を掲げ、グループ解散後もただひとりエアギター世界チャンピオンになる為にエアギター日本予選に挑戦。見事優勝し、念願だった世界大会出場の切符を手に入れた。なお、世界大会は8月29日(日本時間30日早朝)フィンランドのオール市で行われる予定で、インターネット生配信(http://bit.ly/1k51jL8)される。それに先駆け、アイドルグループの解散を乗り越え、ひとりきりで約束を果たした名倉七海へのインタビューを敢行した。

◎名倉七海(エアギター日本チャンピオン)インタビュー

--お久しぶりです。こうしてお会いするのは、テレパシー活動時以来になりますが、お元気でしたか?
名倉七海:元気ですよ。大学生になりました。テレパシーでデビューしたときは高校2年生だったのに。

--テレパシー解散直後はどんな日々を過ごしていたの?
名倉七海:それまで毎日会っていたメンバーと会えなくなっちゃって……しかも解散ライブがなくて、活動休止期間にふわっと無くなった感じだったので「え、もうこのままずっと会えないんだ?」みたいな感じで。活動休止期間が終わったらすぐ会えると思っていたので、でもそのまま終わってしまってこのまま会えないのも信じられなかったし、ファンの人と会えないのも、テレパシーのライブがもう出来ないのも寂しくて……。そんな中、大学の入学式があったりで、新しい生活にも慣れなきゃいけなかったので、バタバタしてました。

--今、振り返ると、テレパシーってどんなアイドルグループだったなと思いますか?
名倉七海:いまだにまたテレパシーのライブしたいって思うぐらい楽しかったし、それはすごく良い思い出になってるんですけど……。テレパシーは他のアイドルとは違う。ダンスも曲も激しかったり、エアギターがあったりして、可愛いより格好良いイメージのアイドルだったと思います。メンバーの個性も凄くて、ひとりひとりアニメのキャラクターにもできるような面白いメンバーが揃っていて、仲も良かったので…………。だから活動休止が決まったときは本当に寂しくて、解散は信じられなかった。ちょっと抜け殻になっちゃったというか。

--そのテレパシーが掲げていた夢。“エアギター世界チャンピオンになる”という公約を果たす為、ななみんはひとりで動き出しました。これは何故?
名倉七海:最初はテレパシー5人でエアギター選手権に出て決勝大会へ行くという目標を立てて、それをファンの皆さんの前で言って、みんなで約束をしていたんですよ。だから「絶対叶えなきゃ!」ということで、テレパシーのイベントの中でもエアギターバトルを本気でやったし、それをファンの人も「面白い!」って盛り上がってくれてて。でもテレパシーが解散しちゃって、解散ライブもできずに終わってしまって、それが嫌だったんですよ。ちゃんとケジメをつけて、ファンの人に対しての感謝の気持ちを何か形にしたかった。

--ゆえに一人で動き出したと。
名倉七海:5人集まることはできないので、私1人でも出来ることはないかと考えたときに、みんなと約束していたエアギター世界大会を目指そうと思って。ちゃんとテレパシーとしてのケジメをつけたかったんです。

--日本大会ではどんなパフォーマンスを披露したの?
名倉七海:エアギターの中で何かになりきってストーリーを作ろうと思って、あの『進撃の巨人』をイメージしてエレン・イェーガーのように振舞って、ジャンプして斬ったりするのをエアギターに取り入れました。戦うエアギターアイドルとして、テレパシー時代にやってた動きとかも入れつつ。あと、日本大会の決勝は、優勝できなかったらそこで終わりだったので、ちゃんとファンの人に感謝を伝えようと思って、テレパシーの衣装を着て、おもちゃのギターを持って、メンバーの名を呼んで、卒業ライブみたいな感じで「テレパシーセカイ」を少しだけ使ってパフォーマンスしました。テレパシーの現役時代に戻った感じで、自分の持ってる力を出し切りました。

--メンバー4人の存在も感じながら?
名倉七海:そうですね。メンバーから「頑張って!」っていう連絡をもらっていましたし、名前を呼ぶことで、4人もエアーなんですけど、一緒にいるって思えたし…………。ライブのときもよくメンバーの名前を呼んでたので、名前を呼ぶと一緒にいる感じがして心強かったし、背中を押された感じがして。緊張もほぐれて、リラックスして、テレパシーとしての名倉七海を最後に出しきれたかなって思っています。

--その結果、エアギター史上最年少の日本チャンピオン獲得。世界大会出場の切符を手に入れたときはどんな気分でした?
名倉七海:その瞬間は「え?」って思って。優勝を目指していたんですけど、まさか本当に優勝できるとは思ってなかったし、頭が真っ白になっちゃって、とりあえずみんなが「おめでとうございます!」って言ってくれるから「ありがとうございます!」って答えてました(笑)。でも本当に大会に出てよかったなと思いましたし、ファンの人とかテレパシーに関わってくれた人たちに感謝の気持ちを伝えられたかなって。優勝したことでちゃんとケジメもつけられたし、私の気持ちやテレパシーとしての気持ちを伝えられて………本当によかった。「やりきった!」っていう達成感が本当にありました。嬉しかったですね。

--では、世界大会への意気込みを。
名倉七海:初なんですよ、海外行くの。初の海外がフィンランドでエアギターの世界大会なんです。だからいろんなことが盛りだくさんで、しかも英語喋れないからドキドキしてます(笑)。でも日本代表として決勝に行けるのはすごく光栄ですし、出るからには優勝目指したいと思っていますし、楽しみです。史上最年少の日本代表ですし、私は普段静かだから「どうせ弱いだろ」ってナメられちゃうと思うんですよ。外国の方は見るからに強そうな人ばかりなんですけど、私もナメられっぱなしではいられないので“やるときはやるんだぞ”っていうところを見せたいです。テレパシーを卒業して、新しい名倉七海としての一歩だと思っているので、世界中の人たちに私らしく私のエアギターを届けたいですね。SAMURAI GIRLとして頑張ってきます!

 なお、彼女は日本から来たSAMURAI GIRL“七海 Seven seas 名倉”として、世界大会でのエアギターパフォーマンスにて三船敏郎ばりの七人斬りも披露するそうだ。ぜひ注目してほしい。

取材&テキスト:平賀哲雄
撮影:内山直也