AppleがBeats Electronics(ビーツ・エレクトロニクス)を30億ドル(約3,060億円)で買収したことに刺激され、世界中の富強なテクノロジー企業がストリーミング・ミュージック・サービスへ興味を注いでいるが、中でもGoogleの目的はもっとも予測しがたいものだ。

 検索大手のGoogleは、マーケット・シェアは低いながらも、IFPI(国際レコード・ビデオ製作者連盟)の3月の報告で“2013年もっとも急成長しているサブスクリプション・サービス”とされたGoogle Play Music All Access(グーグル・プレイ・ミュージック・オール・アクセス)を既に所有している。また、2006年に買収したYouTubeでの有料サービスも準備中だという。

 しかし、GoogleはSpotify(世界中に1,000万人の有料会員、昨年秋の私的価値は40億ドル/約4,080億円)もしくは、Pandora Media(7,700万人のリスナー、公共的価値50億ドル/約5,090億円以上)の買収に関心があるとの噂が浮上してきた。さらに、ニューヨーク・ポスト紙は6月初め、50人の音楽専門家を雇い、天気や行動、時間帯に応じてプレイリストを作成している音楽ストリーミング・サービス、Songza(ソングザ)の買収に、Googleが1,500万ドル(約15億円)を提示したことを伝えているのだ。この件について、Songza側もGoogle側もコメントを控えている。

 なお、Songzaへ投資しているAmazonは、同社デジタル・ミュージックVPのスティーヴ・ブームがSongzaに就いている他、自身のPrimeサービスを強化し携帯電話でも展開させ、AppleやGoogleのモバイル端末と競合している。Amazonとしては、取引を妨害するかSongza自体の買収に踏み切る可能性もあるだろう。

 3月末時点で現金と短期投資が570億ドルあり、現在の市場価格3,800億ドルのGoogleなら、契約の資金は十分に持っている。はたして契約先はどこになるのだろうか。