テイラー・スウィフト、一夜限りの来日公演で2万人が絶叫「ニッポン、ダイスキ!」
テイラー・スウィフト、一夜限りの来日公演で2万人が絶叫「ニッポン、ダイスキ!」

 テイラー・スウィフトが昨年2013年からスタートしているワールドツアー【The RED Tour】の日本公演を6月1日にさいたまスーパーアリーナにて開催。日本ではこの一夜限りの公演とあり、チケットは即日ソールドアウト。2万人のファンがヒット曲連発のステージに酔いしれた。

 物販の販売や、見切れ席の当日券も販売されたこともあり、開場前から多くのファンが集まっていたさいたまスーパーアリーナ。2012年にアルバム『RED』のプロモーションで来日はあったものの、ライブは久しぶりとあってファンたちも気合いの入り方がひと味違う。今回のツアータイトルに合わせたようにファッションの一部に赤と取り入れているのはもちろん、フェイスメイクや完璧なコスプレをした熱狂的ファンの姿も。

 会場は花道が伸びたメインステージと後方にサブステージの2つが用意されており、メインステージには巨大な赤い幕が吊るされ、まだセットの全貌は見せてもらえない。これもスタートを待つファンの期待感を高める一つの要因だろう。18時にはオープニングアクトに覆面ユニットのCTSが登場し、4つ打ちのエレクトロサウンドでファンの高揚感に火を付ける。30分ほどのパフォーマンスだったが、現在大ヒット中の『アナと雪の女王』から「Let It Go」のカバーを挟み込んでくるなど、会場中のテンションをきっちり持ち上げた。

 ステージ転換を終え、19:00を過ぎた頃、レニー・クラヴィッツの「American Woman」が大音量で会場中に鳴り響き、開演の合図となった。アルバム『RED』の1曲目「State of Grace」のイントロが流れ、テイラーの歌声と共にメインステージの赤い幕に彼女のシルエットが映し出される。幕が上がるとステージの全貌が明らかになると同時に、組み上げられたセットの頂上に立つ歌姫の姿に悲鳴の様な歓声が上がる。中央に設置された階段を降り、ゆっくりと花道を進む彼女は黒のハットを被り、おなじみの白レースのトップスに黒のホットパンツのスタイル。一曲歌い終え大歓声の会場をじっくりを見渡し「アリガト!」と一言話したかと思ったらさらりとステージを降り、最前列のファンにハットをプレゼント。羨望が爆発するようなの悲鳴の中、「Holy Ground」へ。あっと言う間に会場の空気を掌握した彼女はステージを軽やかに歩きまわり、用意されたパーカッションを打ち鳴らす。「コンバンワ、トウキョウ!Welcome to RED Tour!」と笑顔で語れば会場中から盛大な歓声が返ってくる。(会場は埼玉県ですが、この辺は海外アーティストならではのご愛嬌)左右と中央に設置された巨大スクリーンに映し出される彼女の表情ひとつで会場が沸き立つ。続く「RED」ではキラキラに輝く真っ赤なレスポールを弾きながらプレイ。ダンサーたちが赤いフラッグを揺らす中、ギタリストと息の合ったパフォーマンスを見せる。

 一旦暗転し、ステージに現れたテイラーは真っ赤なドレスに身を包んで「The Lucky One」を披露。「モリアガッテル?」と会場に問いかけ、バンジョーを手にした彼女はドレスをアレンジした白のスカート姿に。この衣装チェンジも今回の見どころのひとつだ。どカントリーな「Mean」を若い女子たちが大合唱。自らをいじめていた人々へ向けられたこの曲が極東の地でも支持されているなんてこんなリベンジがあるだろうか?スクリーンには幼少期からグラミー獲得までの成長シーンを切り取った映像が流され、「22」へ。次は青いTシャツ(胸部には“Tokyo”の文字)と黒のホットパンツに着替えた彼女はオーディエンスと共に歌い、花道を進む。ステージ下で待ち受けるダンサー勢に飛び込み、そのまま客席フロアを通り後部のサブステージへ。会場全体を使ったミュージカル的なダンスパフォーマンスは正にエンターテインメント。

 「ニッポン、ダイスキ!」と笑顔を見せ「Mine」「You Belong with Me」をアコースティックギター1本で弾き語り。大ヒット曲が連発で会場はひたすら大合唱。人気曲も新たなバージョンで披露されると告知されていたが、この選曲で弾き語りのチョイスは流石。12弦ギターに持ち替え、「Sparks Fly」でバンドが返ってくる。歌いながらサブステージを降り、客席をゆっくりと歩きながら丁寧にファンサービス。メインステージに戻り、インターバル的にヴァイオリンのソロが差し込まれる。続いてレースの白のドレスを纏ったテイラーがステージ頂上に現れ「I Knew You Were Trouble」に突入。中世の舞踏会をイメージしたステージングと映像の中、彼女は突如、黒のセットアップへの早着替えで会場を驚かせる。同時にサウンドもへヴィなアレンジと変わり会場のボルテージを上げる。いつの間にか彼女が着た黒のセットアップはドレッシーにアレンジされ、ステージにはグランドピアノがセッティング。「All Too Well」を(楽曲への思い入れも強いのか)この日一番のエモーショナルに歌い上げ、彼女は再び別バージョンの白ドレスにチェンジし「Love Story」をミュージックビデオの世界観を再現する“ロミオとジュリエット”なステージングを披露し、本編は終了。

 テイラー・コールが客席から響き渡る中、「We Are Never Ever Getting Back Together」のイントロが。リリースから2年が経った現在もビルボードジャパン国内洋楽チャートのTop 20に60週以上チャートインいる驚異的な人気を誇るこの楽曲。サーカス一団を率いるクイーンに扮した彼女はオーディエンスを指揮するようにこの日一番のシンガロングを生み出す。絶叫とも呼べる大歓声の中、彼女のラッキーナンバーでもある“13”曲で一夜限りの特別な夜はフィナーレを迎えた。

◎2014年6月1日(日)【Taylor Swift The RED Tour】@さいたまスーパーアリーナ
Set List:
01.State of Grace
02.Holy Ground
03.Red
04.The Lucky One
05.Mean
06.22
07.Mine
08.You Belong with Me
09.Sparks Fly
10.I Knew You Were Trouble
11.All Too Well
12.Love Story
13.We Are Never Ever Getting Back Together