蜜矢「もう無理、もう死にたい」自転車ツアー 明日ゴールなるか
蜜矢「もう無理、もう死にたい」自転車ツアー 明日ゴールなるか

 BiSのサウンドプロデューサー 松隈ケンタ&悪徳マネージャー兼仕掛人 渡辺淳之介が手掛ける妄想シンガー 蜜矢。デビューアルバム『いけないmagic』を引っ提げ、北上チャリンコツアーを敢行しているが、その心境や状況を綴った本人レポート第5弾が到着した。

<旅を振り返って
もう無理、もう死にたいと思ったのは数え切れない>

 スタートの福岡空港からゴールの中野までの距離は約1090km。その間に自転車のパンク2回、自転車のカゴが破損、機材の故障、自転車の撤去、27時間路上ライブ、30回連続Super life、なんばhatchでのオープニングアクト。いろいろなことがあった31日間でした。もう無理、もう死にたいと思ったのは数え切れないほどあります。初日の博多ではCD1枚しか売れなくて、神戸では1枚も売れない日がありました。

 この路上ライブで何度も思ったことは「自分は一体何ができるのか」ということでした。特別歌がうまいわけではない。作詞作曲が優れているわけではない。ギターが上手いわけでもない。顔も良くない。豆腐のようなメンタル。そんな自分がこの旅で何ができるんだろう、と毎日考えてました。考えるたびに何もなくて、そして旅にも残せていないことを痛いほど実感していました。路上ライブが終わってネットカフェに行くと不安で眠れませんでした。

 ただ何もできていない自分に怒り狂って歌った30回のSuper lifeで自分に何ができるのかわかりました。それはただ一生懸命になって歌うこと。長い時は90kmを1日で移動しても手を抜かずにちゃんと歌った時に、人が足を止めてそしてCDを買ってくれて、握手をして別れることができました。一番嬉しかったのは浜松駅で小学生がなけなしのお小遣いを使ってCDを買ってくれたことでした。小学生からお金をもらうのは気が引けたので「お金はいらないよ!」って言ったらその子が「欲しいから買うんだよ。これから頑張って」と言ってくれてこれから先も頑張ろうと思いました。

 一番悲しかったのは大宮駅で路上ライブをしているのに笑いながらこっちを見て写真を撮っている女の人でした。バカにするかのようにギターを弾いてる真似をして友達と笑う。そしてしまいには「誰も聞かねーよ」と小声で行って立ち去りました。本気で殴りかかってやろうと思いました。周りから見たらバカなことをしてるのかと思いました。挫けそうでした。今でもバカなやつだなって指をさされて笑われることは本当に辛いです。売れて復讐したい。

 西日本を路上ライブしながら旅をすることも、30回同じ歌を歌うことも、その気になれば誰でもできることです。だれかが31回歌ったら今度は自分が50回歌ってやろうと思います。誰にも負けないことをして行きたいです。負けず嫌いなので。

<ワンマンへの意気込み
その日で死んでもいいくらい体を爆発させたいです>

 不運なことにワンマンの日に他のアーティストのライブと重なっていて「ライブには行けないけどがんばって」と言われます。本当にライブに行きたいなら仕事無理して休むし、他のライブも干すことだってできるのにそれをしてくれないということは、たぶんまだ自分にそれほどの価値がないと思われてる証拠なんです。だから来なかった人が後悔する楽しくてハチャメチャで感動するライブをしていきます。ちゃんと自分のこの旅での成果を見せつけたいです。

 実は5月31日以降ライブもないんです……。ラジオとかメディアに出演する予定もなく本当にヤバいので、ライブをしっかり盛り上げて6月につなげたいです。とにかく自分ができるのはただただ一生懸命歌うだけなので、路上ライブよりも環境は数倍にいいのでもうその日で死んでもいいくらい体を爆発させたいです。とにかく頑張ります。みているみんなを蜜矢推しにさせちゃうゾ!

◎ライブ【蜜矢『いけないmagic』発売記念 レコ発ワンマン「蜜矢の蜜と唾」】
05月31日(土)中野HEAVYSICK ZERO
OPEN 16:00 / START 17:00
チケット:前売2500円 当日3000円
学生割引:当日学生証提示で500円バック

<蜜矢とは?>

 蜜矢は“人間の本音”を歌う妄想シンガーで、4月30日発売のミニアルバム『いけないmagic』にてつばさレコーズよりデビュー。同作のリード曲「Super life」のミュージックビデオ(http://bit.ly/1iyZdjc)は、山の手線の電車内~渋谷スクランブル交差点のど真ん中で「Super life」を歌う蜜矢の姿が、楽曲のピュアネスと相まって涙を誘う問題作だ。それに続く2曲目「宮澤」(http://bit.ly/1ooSMnR)は、大嫌いな宮澤を辛辣な言葉でこきおろしており、メロディーと「早く消えろよ」という歌詞が癖になる楽曲となっている。