BiS階段 解散ライブで「nerve」13連発&武道館のでんぱ組にエール
BiS階段 解散ライブで「nerve」13連発&武道館のでんぱ組にエール

 結成以来数々の伝説を残してきたノイズアイドルバンド BiS階段が、5月6日 渋谷WWWにてLAST GIGを開催した。

BiS階段 壮絶ライブ写真一覧

<終わらない「nerve」>

 この日も会場にはブルーシートが一面に貼られていた。BiS階段のライブには付き物のパンティー、一斗缶、液体、内臓、鶏の足が飛び交う狂乱に備えてのこと。観客はこれもまた恒例となった「誓約書」にサインし固唾をのんで開演を待った。

 ライブの1曲目はBiSの代表曲「nerve」。JOJO広重の轟音ノイズとともに観客のテンションは一気にあがる。そして続く2曲目「nerve」、3曲目「nerve」。研究員(BiSファン)の頭に下北沢シェルターでの「nerve」7連発の記憶が蘇る。フロアを埋め尽くす研究員たちは曲が終わるたびに次こそはと期待し、そして再び「nerve」のイントロが流れると溜息とともにまた踊り出す。ヘロヘロの観客を嬉しそうにあおるメンバー。そして、ついに13回連続「nerve」! この時点で1時間以上、公演時間の半分を経過。ラストの13回目は、ラウンドガール役のおじさんと田渕マネージャーも「これぞカオス」というステージだった。

<19曲目はでんぱ組.incの曲「でんでんぱっしょん」カバー>

 そして後半に突入。14曲目に「GET YOU」がかかると更に会場のテンションが上がり、いよいよBiS階段の本領を発揮しだす。無邪気にスタンガンを振り回すプー・ルイや、はりせんで攻撃するのぞしゃん。衣装の胸元から次々に出てくるパンティーを客に投げ込むウイぽんなど、あらゆるものをフロアに投げ込むメンバーたち。JOJO広重はコンクリートを高々と持ち上げて客をひやひやさせるなど、過激なパフォーマンスが繰り広げられる。BiSメンバーがコショージの制服を脱がし、あられもない体操着姿にする一幕もあった。

 また、19曲目はでんぱ組.incの曲「でんでんぱっしょん」カバーだった。タマネギを(武道館に見立てて)振り回しながら笑顔で踊ってみせる。曲が終わるとウイぽんが「武道館おめでとう」と、同日日本武道館でライブを行っていたでんぱ組.incにエールを送った。

<BiSのメンバーの成長>

 この日はBiSメンバーが抜群のパフォーマンスを見せた。なにより迷いが感じられなかった。前半ではあのコショージメグミが真っ先にダイブし、のぞしゃんも堂々とノイズを演奏。テンテンもJOJO広重とギターでセッションを始める。非常階段のJUNKOばりにウイぽんが絶叫し、サキ様はこれでもかと客を煽り、JOJO広重のダイブという珍しいシーンもあった。

 そして祭りは最後の時を迎えた。最後の曲は「primal.」。曲が終わりノイズ演奏に移行。ノイズまみれの会場であらゆるものが飛び交う中ライブは終わり、JOJO広重の「非常階段はBiSを一生応援するぜ!」という言葉でBiS階段LAST GIGは幕を閉じたのだった。

取材&テキスト:木村裕美