ロード、ザ・ウィークエンド、ディプロ、ネリーなど350人のソングライターをかかえる米音楽出版社、SONGSミュージック・パブリッシングが、作曲家ジョージ・ガーシュウィンのカタログ利用権をゴドフスキー家とヘイワードメモリアル基金から買収したことが、ハリウッド・リポーターの報道により明らかになった。ゴドフスキー家はガーシュウィンの相続者であり、ヘイワードメモリアル基金はミュージカル『ポーギーとベス』の著者、デュボース&ドロシー・ヘイワード夫妻の権利継承者だった。

 同契約には、ブロードウェイ・ミュージカルの名作『ポーギーとベス』、『シャル・ウィ・ダンス』、『踊る騎士(A Damsel In Distress)』、『ゴールドウィン・フォリーズ』などを象徴する名曲、「誰にも奪えぬこの想い(They Can’t Take That Away From Me)」や「それができたら素敵(Nice Work If You Can Get It)』、「サマータイム」など多くの楽曲が含まれる。

 SONGSはこれらの曲を映画、テレビ、広告で再び紹介することを目指し、総合的な販売キャンペーンを計画・実行するとのこと。ニューヨークやLAのようなクリエイティブな場所でのイベントや、カタログを紹介するための洗練された販売ツールの制作、ソーシャルメディアでの存在感を確立するなどの戦略を考えているそうだ。また、映画、テレビや広告音楽向けに新旧アーティストによるカバー曲をフィーチャーしたマスター・レコーディング・シリーズも作るという。

 SONGSの創立者でCEOのマット・ピンカスは、「世界的な共同パブリッシャーとして、今回の契約は典型的な形ではありません。しかし、ジョン・ケイダン(ガーシュウィン/ゴドフスキー信託の受託者)と私は長年の友人なので、これは自然な流れでした。世界に誇るこれらの曲でジョン一家やヘイワードの代理人と一緒に従事できることは、私にとっても従業員にとっても一生に一度のチャンスです」と喜びを語っている。

 一方、ケイダンは「このカタログをメジャーな出版社に持ち込むこともできましたが、マットが集めたSONGSのチームは若くてクリエイティブで決意が固く、また、とりわけデジタル業界におけるベストな販売戦略を良く理解しています。彼らのエネルギーによって作品に新しい命が吹き込まれ、今後何世代にもわたり語り継がれることでしょう」と話している。