ウェアラブル技術は、世界最大の音楽カンファレンス【SXSWインタラクティブ】での主なトピックになっているようだが、プライバシーに関する議論も免れないだろう。以前よりプライバシーと装着型機器の問題を心配する声は多く、例えば誰かが自分に携帯電話を向ければまだ気づけるが、メガネ型情報端末となると判別はより難しい。



 『Google Glass』を着用した2名の参加者も含んだパネルディスカッションでは、これらの問題を避ける節があったが、アトランタの広告代理店 22squaredのギリー・シーガルは「我々はつねにプライバシーに目を向けている。我々は自分たちの海を知っているが、それはほんの一部に過ぎず、ウェアラブル技術がもたらす問題はもっと広大だ」とコメント。



 また、アメリカ広告代理店協会(4A's)のデジタル部門責任者 チック・フォックスグローバーは、「法の枠組みを超えたところに社会的な枠組みがある。誰かがこの技術を持っていても、持ってない人がいるというように、この関係は非対称なのだ」と指摘した。



 音楽面に関しても、昨年『Google Glass』に音声命令でコントロールしたり、曲名検索のShazamをハンズフリーでクエリーするコマンドが追加されたりと、技術発展が進んでいる。しかし、こちらもコンサートが録音される恐れなど、クリアしなければならない問題が残されている。



 シーガルは「今はポストプライバシーの世界なのかと聞かれる。私はいや、まだだと答える。集めているデータについて業界が批判的に考え、ユーザーの信頼を確立するような真の機会が今後訪れる。『Google Glass』のような技術には問題がある。どうやって他者に使用状況を知らせるか。ごく近い距離で誰かが『Google Glass』で撮影していても、なかなか気づかないだろう」と、警鐘を続けた。