スティーリー・ダンの元メンバーであるデヴィッド・パーマーが、デジタル使用料をごまかされたとして同バンドを訴えた。

 今回、ロサンゼルス上級裁判所に訴えが届けられたことで、米権利料徴収機関 サウンド・エクスチェンジのあまり知られていない事実も浮き彫りになってきている。同機関はシリウスXMやパンドラなどのデジタル音楽サービスから徴収した権利料を、バンドではなくメインのアーティストに直接支払う方針を取っており、たいていの場合はこれで筋が通るのだが、バンドのメンバー間で揉めると問題になるケースもある。

 パーマーによれば、1972年の合意文書には自分が演奏した楽曲のすべてのロイヤリティについて6分の1を受け取ることになっているという。彼は1972年発表のバンドのデビューアルバム『キャント・バイ・ア・スリル』中の2曲でリードボーカルを、別の3曲ではバックボーカルを担当。いくつかのライブなどにも参加したが、1973年中頃にバンドを脱退している。

 ロイヤリティは全てSDI(Steely Dan Inc.)が管理することになっているようだが、それではサウンド・エクスチェンジの方針に合わない。パーマーは結局「ロイヤリティの件は解決に向かい、多分これまでのロイヤリティをごまかしたり、隠したことの罪悪感からだろうが、SDIからは2013年3月31日までの9か月間分の取り分、8,000ドル(約81万円)以上の小切手を受け取った」と言うが、2000年のサウンド・エクスチェンジ発足以来受け取るはずだったロイヤリティの問題がまだ残っていると主張している。