30周年で初武道館! 怒髪天がアニバーサリーイヤーに最高の幕開け
30周年で初武道館! 怒髪天がアニバーサリーイヤーに最高の幕開け

 1月12日にロックバンド 怒髪天が結成30年にして初の日本武道館公演【ほんと、どうもね。】を開催し、アニバーサリーイヤーの幕開けに相応しい最高のステージを展開した。

涙を流す増子直純や、メンバーソロ写真など計10枚


 以前、増子直純(vo)は「即完すること、売り切ることが目標じゃない」と語っていたが、いざフタを開けてみればチケットは完売、立ち見も出るほどの大盛況に。入口は、音楽業界のみならず芸能人や他ジャンルの有名人から贈られたお祝いの花で埋まっており、ステージには紅白の緞帳(どんちょう)と会場はお祝いムード一色だ。

 さらに会場のディスプレイには、昨年9月に行われた企画「“勝手に”熱湯CM 怒髪天1.12日本武道館」の模様を上映。奥田民生、フラワーカンパニーズ、SCOOBIE DO、the pillows、Theピーズ、MONGOL800、TOMOVSKY、レキシらの映像が流されている。そして開演時間になると、いきなりの金テープ発射と共に「よく来た! 飲めー!」と「酒燃料爆進曲」で幕開け。堂々としたメンバー4人の佇まいに、怒号のような歓声が鳴り響いた。

 超満員の会場を目の前にした増子は、序盤から瞳にいっぱいの涙を溜めながら「今日はゆっくり、30年分あるから」と声を弾ませる。そして武道館でこの質問ができることを夢見ていたと話した後、「ROCKでない奴ぁ?」とマイクを向けると、会場全体から「ロクデナシ!」の答えが。メンバーの上原子友康(g)は、“いつか怒髪天で立つ”とサポートやゲストでオファーされた武道館でのライブ出演をすべて断ってきたそうだが、30年分の想いが込められた怒髪天の武道館はすべての楽曲がハイライトだ。


 セットリストは30年分のベストセレクションとなっており、中盤には「友だちのために、ちょっと古い曲をやりたい」と、最初期曲の一つである「友として」をセレクト。他にも91年発表のデビューアルバムに収録されていた「流れる雲のように」など、新旧取り揃えた選曲だ。

 ファンから“兄ィ”の愛称で親しまれている増子をはじめ、同業者からも広く深く支持されている4人だが、この日は故郷の北海道から沖縄まで、全国各地から友人が集まったそうだ。古い曲も織り交ぜながら、しっかり代表曲を網羅していく内容だから、どの年代からのファンでも楽しめるステージになっているのが嬉しい。長丁場のライブながら、一時も歓声が途切れることはなかったのが印象的だ。

 そんな会場を見渡しながら、清水泰次(b)は「すごいご褒美もらっちゃった」と顔をほころばせた。会場に背を向けた増子から「(自分の)後ろに何が見える?」と訊かれて「人類です!」と応えた坂詰克彦(dr)、そして「武道館なんでハリキッてみました」と照れ笑いしながらヒョウ柄のシャツをたなびかせた上原子と、朗らかな人柄に触れられる点も怒髪天ライブの大きな魅力だ。

 終盤にはアニメ『団地ともお』OP曲「団地でDAN!RAN!」、「オトナノススメ」、「歩きつづけるかぎり」と近年の代表曲を畳みかけ、会場中から大合唱が沸き起こった「雪割り桜」で本編を終了させた。


 結成30周年の節目に初の武道館公演の本編を4人だけで行い、サポートメンバーなどを入れずにやりきった力量はベテランならではだが、そうした手腕はアンコールでも発揮された。「喰うために働いて 生きるために唄え!」のギターソロで、上原子のギターの音が出なくなるトラブルに見舞われたのだが、即座に増子はまくしたてるように口でギターソロを再現。一転して笑いに変えてしまう機転はさすがだ。

 そしてダブルアンコールにも応えた4人は、会場中の観客が両手を上げて共に歌う代表曲中の代表曲「サスパズレ」から、ハッピを羽織って盆踊りのように舞う音頭「ニッポン・ワッショイ」で全ての演目を終了。緞帳が下りきった後も、下から顔を出して歓声に応えながら記念すべき1日を締めくくったが、2014年はまだまだ始まったばかり。

 ライブ中に重大発表として明らかにされたが、3月19日にこの日の模様を収めたライブDVDをリリースし、4月9日には30周年を記念した紅白盤のうちの紅盤をリリース。その後は47都道府県を巡るお礼参りツアー【いやぁ、なんも、おかえしだって。】を開催し、秋には地元 北海道で行う自主開催のフリーライブも予定している。


写真:渡邉 一生

◎【ほんと、どうもね。】
2014/01/12(日) at 日本武道館
[セットリスト]
01.酒燃料爆進曲
02.北風に吠えろ!
03.濁声交響曲
04.ロクでナシ
05.どっかんマーチ
06.情熱のストレート
07.はじまりのブーツ
08.ドリーム・バイキング・ロック
09.ド真ん中節
10.GREAT NUMBER
11.押忍讃歌
12.労働 CALLING
13.流れる雲のように
14.あえて荒野をゆく君へ
15.サムライブルー
16.蒼き旅烏
17.友として
18.ホトトギス
19.団地でDAN!RAN!
20.オトナノススメ
21.歩きつづけるかぎり
22.雪割り桜

En1.ロックバンド・ア・ゴーゴー
En2.喰うために働いて 生きるために唄え!
En3.セバ・ナ・セバーナ

En4.サスパズレ
En5.ニッポン・ワッショイ


◎DVD『怒髪天結成30周年記念公演“いやぁ、こないだ、ほんと、どうもね。”LIVE AT BUDOKAN』
2014/03/19 RELEASE
[初回盤:DVD 3枚組(豪華装丁)]
TEBI-78291 7500円(税抜)
[通常盤:DVD 1枚]
TEBI-47294 4500円(税抜)

◎30周年記念 紅白盤CD紅盤(タイトル未定)
2014/04/09 RELEASE

◎47都道府県お礼参りツアー【いやぁ、なんも、おかえしだって。】
4月18日(金) 京都磔磔
4月20日(日) 岡山IMAGE
4月22日(火) 神戸太陽と虎
4月24日(木) 松江AZTiC canova
4月26日(土) 周南LIVE rise
5月7日(水) 千葉LOOK
5月9日(金) 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
5月10日(土) 郡山Hip Shot Japan
5月12日(月) HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
5月17日(土) 鹿児島SR HALL
5月18日(日) 宮崎SR BOX
5月20日(火) 佐賀GEILS
5月22日(木) 長崎DRUM Be-7
5月24日(土) 本DRUM Be-9 V1
5月25日(日) 大分DRUM Be-0
5月30日(金) HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2
5月31日(土) 水戸LIGHT HOUSE
6月5日(木) 長野CLUB JUNK BOX
6月15日(日) 米子AZTiC laughs
6月17日(火) 松山SALONKITTY
6月19日(木) 徳島club GRINDHOUSE
6月21日(土) 高知X-pt.
6月22日(日) 高松DIME
6月28日(土) 富山MAIRO
6月29日(日) 福井CHOP
7月1日(火) 滋賀U★STONE
7月6日(日) 青森Quarter
7月8日(火) 盛岡CLUB CHANGE WAVE
7月10日(木) 秋田Club SWINDLE
7月12日(土) ミュージック昭和Session
7月13日(日) 仙台Rensa
7月20日(日) 松阪M'AXA
7月22日(火) 和歌山CLUB GATE
7月24日(木) 奈良NEVER LAND
7月26日(土) 岐阜CLUB ROOTS
7月27日(日) 浜松MESCALIN DRIVE
8月16日(土) 金沢AZ
8月20日(水) 横浜F.A.D
8月23日(土) 高崎Club FLEEZ
8月24日(日) 甲府CONVICTION
9月4日(木) 広島CLUB QUATTRO
9月7日(日)福岡DRUM LOGOS
9月15日(月・祝)名古屋DIAMOND HALL
9月13日(土) 大阪BIG CAT
<カムバック・サーモン2014 “男の遡上フェスティバル”>
9月20日(土) 札幌 国営滝野すずらん丘陵園 野外特設ステージ(フリーライブ)
9月23日(火) 新宿LOFT
9月24日(水) 新宿LOFT
10月26日(日) 沖縄桜坂セントラル
10月27日(月) 沖縄桜坂セントラル(トークイベント)