著作権所有者に支払う使用料の軽減につながる法令制定を目指していた米インターネットラジオのパンドラが、これを断念した。良く知る情報筋がビルボードに明らかにした。

 パンドラはこれに代わり、同社のようなウェブキャスト・サービスの法定料率を決める3名の裁判官で構成された著作権料委員会(CRB)へ、ロビー活動をしていくことになる。現行の料率は2015年まで実施されるそうだ。

 ウェブキャスティングの著作権使用料改定の法整備は、パンドラの支援なくては終わったも同然だ。他の会社や団体も支持していたが、パンドラは“インターネットラジオ公正法(IRFA)”立法に向け最も力を注いでおり、ワシントンのロビー会社を雇ったり、連邦議会へ嘆願に出向くなどした。カンファレンスや新聞、自社ブログで世論の最前線に立っていたパンドラが抜けたら、後を埋められる者はいないだろう。

 一方、権利所有者とアーティストたちは、パンドラがサポートした同法律制定と闘ってきた。IRFAではCRBが設定したウェブキャスターの法定著作権使用料の基準変更を求めていた。

 パンドラがIRFAを諦める兆しは今年に入ってから既にあったが、周囲はパンドラがまた違った形の法令を再考すると考えていた。法令制定は事実上11月になくなった形だ。

 ラジオ放送のパフォーマンス権利はやはり依然として重要な課題で、9月には民主党下院議員のメル・ワットが同権利を規定する法案を提出している。パンドラはアーティスト達からの支持を取り戻すことができるかもしれない。