パティ・スミスが雑誌『ザ・ニューヨーカー』に、故 ルー・リードとの時間を綴ったエッセイを寄稿した。


 10月27日の朝、ブルックリンのロッカウェイ・ビーチに居たスミスは、娘 ジェシーからの携帯メッセージによって訃報を知ったという。ニューヨークで最後にリードと会った際、娘は彼の病気を察していたらしく、「ルーがさよならといった時、彼の暗い瞳は無限に広がる情に満ちた悲しみを含んでいた」とも綴っている。


 スミスがリードと初めて会ったのは、1970年にマンハッタンのクラブMax's Kansas Cityで行われたショーでのこと。以来、月日を重ねるごとに親しくなり、リード自身に承諾を得て楽曲をカバーするまでになった。


 リードのことを時に情熱的でありながら、非常に繊細で文学に熱心な人柄だったと振り返るスミスは、「彼の風変りな行動と激しい心的状態がわからなかった。でも、彼の詩に対する熱意、そしてパフォーマンスとしての素質はよくわかった。黒い瞳で、黒いティーシャツを着、青白い肌をしていたリード。彼は好奇心旺盛で、時に懐疑的、また貪欲な読者で音の探求者だった」としている。


 また、スミスはリードが亡くなった10月27日が、作家のシルヴィア・プラスとディラン・トマスの誕生日だったことも加えている。