[連載]アサヒカメラの90年 第16回
写真雑誌の危機感 1986(昭和61)年4月号で、本誌は創刊60年を迎えたが、それは心から喜べる還暦ではなかった。前号で触れたように部数の低下に苦しんでいたからで、その一因は、誌面づくりと読者のニーズとの齟齬(そご)にもあった。 同号の創刊記念特集に大辻清司が寄稿した「スタンダードな写真雑誌」は、本...
写真雑誌の危機感 1986(昭和61)年4月号で、本誌は創刊60年を迎えたが、それは心から喜べる還暦ではなかった。前号で触れたように部数の低下に苦しんでいたからで、その一因は、誌面づくりと読者のニーズとの齟齬(そご)にもあった。 同号の創刊記念特集に大辻清司が寄稿した「スタンダードな写真雑誌」は、本...
1年後に個展開催の権利を勝ち取る公募展、写真「1_WALL」展は、ポートフォリオ審査、審査員と対話をする二次審査を通過したファイナリスト 6名が、一人一壁面を使って作品を発表するグループ展だ。若手写真家の登竜門的な存在で、ここからたくさんの作家が育っている。 第16回となる今回は、阿部直樹、白井晴...
3月20日、ニューヨーク発ファッションブランド「マーク ジェイコブス」が手掛けるブックストア「BOOKMARC」(ブックマーク)にて、fumiko imano の作品集『we oui!』(米Little Big Man社)の発売を記念し作品展示とサイン会が行われる。『we oui!』は、2月のLA...
広大なアフリカ大陸のうち25カ国を訪ねてきた、フリーランスライターで武蔵大学非常勤講師の岩崎有一さんが、なかなか伝えられることのないアフリカ諸国のなにげない日常と、アフリカの人々の声を、写真とともに綴ります。 アフリカに、果たして何カ国の国が存在するか知っていますか? ネットで検索すれば、「54カ...
ニューヨークを拠点に活動しているフォトグラファー更井真理が、2冊目となるヌード写真集「SPEAK EASY」をイタリアのDAMIANI社から発売した。 スーパーモデル、アーティストなど、第一線で活躍する女性たちのヌードをおさめた前作「NEKED」をさらに上回るパワフルな今作は、アートディレクターに...
写真雑誌の苦境 1977(昭和52)年の2月号から編集長を務めた岡井輝雄の在任期間は、81(昭和56)年5月号までの4年4カ月で、歴代編集長のなかで3番目の長さである。意欲的な岡井が、さまざまな企画を打ち出したのは前号のとおりだが、なかでもコンテストを通じたアマチュアの誌面参画には熱心だった。公募の...
広大なアフリカ大陸のうち25カ国を訪ねてきた、フリーランスライターで武蔵大学非常勤講師の岩崎有一さんが、なかなか伝えられることのないアフリカ諸国のなにげない日常と、アフリカの人々の声を、写真とともに綴ります。 アフリカの取材で困るのが、現地の取材を手伝ってくれた人へのお礼だという。今回は、岩崎さん...
広大なアフリカ大陸のうち25カ国を訪ねてきた、フリーランスライターで武蔵大学非常勤講師の岩崎有一さんが、なかなか伝えられることのないアフリカ諸国のなにげない日常と、アフリカの人々の声を、写真とともに綴ります。北アフリカで食べられている「タジン」。とんがり帽子のような形状の鍋で、肉や野菜を煮込んだ料...
ミニ・コミュニケーションの挑戦「写真家は写真だけ撮っていればよい時代は、過ぎたと思うんです。撮ると同時に見せること、その装置について考えざるを得なくなってます。ワークショップで僕がやってきたのは、技術指導、表現指導じゃなくてね、テレビ時代に即応した写真メディアの提案です」 本誌、1977(昭和52)...
「ビートルズ」と「ザラ紙」 1973(昭和48)年1月号の編集後記には、今年は「これまでにもまして、その時代の写真界の現状を鋭敏にとらえて読者にお伝えする方針」と書かれている。70年10月から編集長を務める白井達男はそれを心がけ、たしかに実験的な誌面をつくってきた。 同号の特集「24人のビートルズ」...