カメラを向けただけで条例違反?「盗撮冤罪」から身を守れ

アサヒカメラ

写真提供:PIXTA/ピクスタ  (16:00)アサヒカメラ

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 (16:00)アサヒカメラ
 夏到来! 肌の露出が増えるこの季節、カメラ好きなら気をつけたいのが「盗撮冤罪」。実はこの数年、全国の都道府県で迷惑防止条例が続々と改正され、「カメラを向けただけで条例違反」と疑われかねない事態になりつつあるのだ。われわれはどう対処すべきか。『アサヒカメラ2017年7月号』で、撮影に関する法律問題に詳しい三平聡史弁護士に話を聞いた。

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「盗撮」について語るうえでまず明確にしなくてはならないのは、その言葉の定義と使われ方です。わいせつ目的での撮影を「盗撮」と呼んでいますが、この単語には被写体に知られないようにこっそり撮るという意味合いもあります。前者は迷惑防止条例違反で犯罪行為になりますが、後者はそうではありません。

 ところが、同じ「盗撮」という単語を使っているがために、わいせつ目的ではなく、当人に知られないように撮るスナップ写真においても、まるで犯罪行為かのように言われることがあるのです。

 肖像権の侵害や、場合によっては名誉毀損(きそん)に当たる場合もありますが、当人に気づかれないように撮影すること自体は犯罪行為ではありません。わいせつ目的の「盗撮」と、こっそり撮る「盗撮」を区別するためにも、それぞれ適切な単語があればいいのですが、同じ言葉を使っているため、混同を招いてしまっています。

 ちなみに迷惑防止条例の条文に「盗撮」という単語はなく、「撮影等」と表記されています。

 次に、同じ「盗撮」でも、法的にまったく問題がないものから、民事責任が生じるもの、刑事責任が問われるものというように段階的に区別することができます。

 まず、問題がないのは当然のことながら(1)「被写体の承諾がある」です。撮影直後の承諾も含まれるでしょう。

 続いて(2)「被写体の承諾はないが、肖像権侵害・迷惑防止条例違反ではない」です。特定の人をアップで写さず、風景として写しているような場合です。また、後ろ姿など、個人が特定されない写真であれば問題ないでしょう。また、わいせつ目的で撮影されたものではなく、服で隠されている下着や胸、陰部なども写っていないことです。

 次はグレーゾーンの(3)「被写体の承諾はなく、肖像権を侵害」です。もちろん(2)と同様にわいせつ目的ではないことが大前提です。相手の承諾を得ずにこっそり撮影したことに加え、その人の顔をアップで撮る、明らかにその人を狙ったことがわかるように撮った場合です。これは相手から画像の削除を要求されたり、経済的損失が出た場合などは賠償を要求されたりする可能性があります。

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