石川竜一氏(左)と川島小鳥氏(右)
石川竜一氏(左)と川島小鳥氏(右)

 3月17日、第40回(2014年度)「木村伊兵衛写真賞」(主催・朝日新聞社、朝日新聞出版)の発表があり、石川竜一(いしかわ・りゅういち)氏と川島小鳥(かわしま・ことり)氏の二人が受賞した。対象作は、石川氏が『絶景のポリフォニー』および『okinawan portraits 2010-2012』(ともに赤々舎)、同じく川島氏が写真集『明星』(ナナロク社)。

 本賞は、写真家、故木村伊兵衛氏の業績を記念して1975年に創設された。プロ・アマを問わず、毎年すぐれた作品を発表した新人写真家を対象に贈られることから、“写真界の芥川賞”と呼ばれることもある。対象となるのは、毎年、写真の制作・発表活動において優れた成果を上げた作品。雑誌・写真集・写真展などで発表された、写真表現のあらゆる分野を含む。

 選考委員は、岩合光昭、瀬戸正人、鷹野隆大、長島有里枝の4氏とアサヒカメラ編集長の佐々木広人が担当した。選考にあたっては、写真関係者からのアンケートで候補者を募り、選考委員会で受賞者を決定した。
 
 石川氏は1984年沖縄県生まれ。沖縄国際大学社会文化学科卒業。在学中に写真と出会う。2010年、写真家 勇崎哲史に師事し、2011年に東松照明デジタル写真ワークショップに参加。2012年『okinawan portraits』で第35回写真新世紀佳作受賞。私家版写真集に『SHIBA踊る惑星』『しば正龍 女形の魅力』『RYUICHI ISHIKAWA』がある。

 川島氏は1980年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部仏文科卒業後、沼田元氣氏に師事。2006年、ひとりの少女を4年間撮り続けた作品で第10回新風舎平間至写真賞大賞受賞、07年写真集『BABYBABY』 を発売。2011年、佐渡の友人の娘を撮り続けた作品『未来ちゃん』(ナナロク社)で第42回講談社出版文化賞写真賞を受賞している。

 なお、最終選考に残ったほかの候補者と作品は、Eric氏『Eye of the Vortex』(赤々舎)写真展「GOOD LUCK HONG KONG」(M2ギャラリー)、蔵真墨氏 写真展「Men are Beautiful」(ユミコチバアソシエイツ)、武田陽介氏「Stay Gold」(Omoplata、タカ・イシイギャラリー)、林典子氏『キルギスの誘拐結婚』(日経ナショナルジオグラフィック社)、春木麻衣子氏 写真展「写真の境界」(横浜市民ギャラリーあざみ野)ほか、松本紀生氏『原野行』(クレヴィス)。

 授賞式は、4月27日(月)18時30分から、東京・丸の内の銀行倶楽部にて行われる。受賞者には賞状、賞牌、および賞金50万円が贈られる。また、受賞作品展は4月11日から4月20日まで、東京・新宿のコニカミノルタプラザ(ギャラリーC)で開催される。

石川竜一氏のコメント動画はこちら
URL:https://youtu.be/G6XepWWn11s

川島小鳥氏のコメント動画はこちら
URL:https://youtu.be/58lLQ-7EIZw