第39回木村伊兵衛写真賞を受賞した森栄喜氏の動画コメントはこちら
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 2月5日、第39回(2013年度)「木村伊兵衛写真賞」(主催・朝日新聞社、朝日新聞出版)の発表があり、森栄喜(もり・えいき)氏が受賞した。対象作は、写真集『intimacy』。

 本賞は、写真家、故木村伊兵衛氏の業績を記念して1975年に創設された。プロ・アマを問わず、毎年すぐれた作品を発表した新人写真家を対象に贈られることから、“写真界の芥川賞”と呼ばれることもある。対象となるのは、毎年、写真の制作・発表活動において優れた成果を上げた作品。雑誌・写真集・写真展などで発表された、写真表現のあらゆる分野を含む。

 選考委員は、岩合光昭、瀬戸正人、鷹野隆大、長島有里枝の4氏とアサヒカメラ編集長の勝又ひろしが担当した。選考にあたっては、写真関係者からのアンケートで候補者を募り、選考委員会で受賞者を決定した。
なお、最終選考に残ったほかの候補者と作品は、赤石隆明『UNBROKEN ROOM』、インベカヲリ★『やっぱ月帰るわ、私。』、題府基之『Project Family』、竹沢うるま『Walkabout』、横田大輔『site/cloud』。

 森氏は1976年石川県金沢市生まれ。2001年米国・パーソンズ美術大学写真学科卒業。著書に『Crows and Pearls』(edition.nord、新潟、09年)、『tokyo boy alon』 (レボリューション・スター・パブリッシング、台湾、11年)がある。最新作は『intimacy』(ナナロク社、2013年)。

 2013年より同性婚をテーマに写真で訴えるプロジェクト「Wedding Politics」を恋人の工藤司氏とともに始める。オリジナルの衣服を毎回制作し、国会議事堂前や神社、街中などで、2人のセルフポートレートを撮影。日本で同性婚が法的に整うまで続ける。11年から撮影を始めた「intimacy」はライフワークとして制作を続けている。同時に「家族・テリトリー・衣服」をテーマにした新しい作品を制作している。

 授賞式は、4月17日(木)午後18時30分から、東京・丸の内の東京會舘にて行われる。受賞者には賞状、賞牌、および賞金100万円が贈られる。また、受賞作品展は4月15日から4月24日まで、東京・新宿のコニカミノルタプラザで開催される。